ガソリン不要! 充電だけで走れる夢のような車『電気自動車』。モーターによるスムーズな走りは確かに夢のように快適だが、まだ現実的に使用するのは結局夢である状態なのかもしれない。
なぜまだ電気自動車は夢の存在なのか? それは航続距離500kmを謳った最新の電気自動車、『テスラモデルS』を購入した男性が口コミサイト『価格.com』で「私がバカだった」と泣いているのが発端だ。
航続距離500kmもあるならガソリン車とほぼ同じように使えそうなのでまったく問題は無さそうだが……。男性がなぜ泣いているのか、要約すると以下のようにまとめられる
1.インテリアや装備が日本車と比べ不便すぎる
男性いわく、「ヘッドレストが固定で後ろが見づらい」、「後部座席にドリンクホルダーが無い」、「タッチスクリーンが異常にデカい割にカーナビもないしCDも聴けない」、「運転者が離れるとキーが車内にあっても電源が全部切れる(笑)」など、日本車ではありえない不便さだとのことだ。
2.車幅が2.2mもあり、重量も2.6トンあるので立体駐車場に入らない
また、外装にも不満があるようだ。なぜならテスラモデルSの車幅は2.2mと、キャデラックのフルサイズSUV『エスカレード』よりも広い。また、重さもバッテリーがあるため2.6トンもあり、立体駐車場の重量を確実にオーバーしてしまう。これではド田舎のクソ広い平面駐車場しか入れられないだろう。
3.充電に物凄く時間がかかり、放置しておくと電池が勝手に減る
さらにもっとも重要な充電時間についても問題があるとしている。まだ国内にわずかしかないテスラ専用の充電器では1時間、日産の電気自動車『リーフ』なら30分で80%充電できる、最近たくさん増えてきたチャデモ充電器では3~4時間、家庭に比較的簡単につけられる200Vの充電器では、24時間以上(笑)も充電に必要なのだそうだ。
ただし、テスラのホームページを観ると200V / 40Aの充電器を使えば6時間38分で250km分の電力を充電できるという。だが、40Aも充電に使ってしまったらほかの家電製品をいくつか使うだけで、すぐブレーカーが上がってしまうことは容易に想像できる。ゼロから充電した場合はフル充電まで13時間以上かかるので、皆が寝ている深夜だけでは到底フル充電は不可能だ。
ちなみに、記者が乗っているアウトランダーPHEVでも、充電中にエアコンと電子レンジを使うと家庭用の最大60A契約でたまにブレーカーが落ちるレベル。だが満充電に4時間しか必要ないので、家族が寝ているあいだに余裕で充電できる。13時間レンジもエアコンも使えなかったら……と思うと、ゾッとしてしまう。
・2週間で160kmの走行距離分の電池が勝手に減る!?
さらに、これはテスラが悪いワケではないのだが、リチウムイオン電池の性質上、充電しないと勝手に電池残量が減っていく。男性も2週間で160kmの走行距離分の電池が勝手に減っていたと述べており、この量が確実に減るワケではないと思うが、こまめに充電しないと、いざというときに使えないという可能性が出てくる。
まとめると以上となるが、男性の言っていることのなかでテスラのホームページですぐ確認できる「重さ」と「車幅」の件だけでも狭い日本では致命的な部分ではないだろうか。
都内だと車幅2メートルの車でもキツキツになる場合は山ほどあるし、ショッピングモールでも都心にある店舗は立体駐車場しかない場合がある。これでは都内で使うのは難しいし、田舎で使うとしても充電器の数が少ないので非常に不便。
また、チャデモの急速充電器は30分か1時間で待ちがある場合は交代しなければダメなので、家で10時間前後あまり電気を使わずに生活するか、最寄りのテスラまで行って1時間充電しなければならないのである。
ただ、この男性が嘆いていても利用する状況によっては非常に便利になるかもしれない。これはどの自動車でも同じことだが、特に電気自動車を買う場合はディーラーと詳しく話してから契約することをおススメする。
・国産の電気自動車のほうが良い
ちなみに記者のおススメとしては、ガソリンも使用できる三菱自動車の最強SUV『アウトランダーPHEV』か、トヨタの『プリウスPHV』がおススメ。また、100%電気自動車が良いという場合は、日産の『リーフ』が良いと思う。
なぜなら日産自動車の電気自動車サポートのみ、日産販売店で月額1429円(税抜)で払えば充電がタダになるリーズナブルなプランが設定されているからである。他は1分数円かかるので、結局ガソリン車のほうがコスパもかかる時間も優れているという場合が多いのだ。
テスラCEOはトヨタの水素自動車を「バカげている」と言ったが、国産の電気自動車を使っている私からすれば「モデルSのようなバカでかい車幅とクソ重い車体をそのまま日本で売ろうとする方がバカげている」と声を大にして言いたい。
もう一度言うが、これから電気自動車を購入しようとしている人は、「ガソリン車と同じように使える」という感覚はまず捨てよう。そうしない限り、あとで後悔することになるかもしれないぞ。
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