所得水準が向上しているとはいえ、大多数の中国人にとって自動車は安い買い物ではなく、日系車の販売が好調なのは信頼性や燃費性能の高さ、故障の少なさといった維持費の安さが評価されているためでもある。

 また、中国人が新車を購入するにあたって重視する要素の1つに「値持ちの良さ」が挙げられる。中古車として売却する際、どれだけ高く買い取ってもらえるかが重要であり、どれだけ自分が気に入っていても、中古車市場で値がつかないようであれば新車購入の選択肢からは外れるということになる。

 中国メディアの汽車之家はこのほど、15万キロメートルも走行したにもかかわらず、部品の消耗や破損などが見られなかったという中古の日系車を紹介し、日系車の信頼性の高さに驚きを示す記事を掲載した。

 記事は、2009年11月に新車登録されたという日系メーカーの中古SUVを写真とともに紹介。トランスミッションやエンジン、シャーシなど、自動車の主要部品の変形や破損、摩耗などを調べるために分解したことを紹介した。

 続けて、分解して分かったこととして「日本人の自動車造りに感服せざるを得ない」と前置きしたうえで、オイル漏れはほとんどなく、エンジンやトランスミッションにも修理が行われた痕跡も見られなかったと指摘、「15万キロメートルも走行してきた車であるにもかかわらず、故障したことがないことを示すもの」と論じた。

 当然、部品に使用されているゴムなどは経年劣化はあったようだが、これはゴムという素材の特性である以上は致し方ない点だろう。それでも約7年間、15万キロメートルも走行しても大きな問題が見られなかったというのは、まさに日系車の信頼性の高さを示す事例と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF