パナソニックが、完全自動運転車を実現する人工知能(AI)システムの開発に乗り出したことが24日、分かった。人間のように学習を繰り返して理解を深める「ディープラーニング(深層学習)」の仕組みを取り入れ、使う度に運転がうまくなっていくシステムにする。平成32年度中の完成を目指す。
システム開発では、まず対向車や交通標識、老若男女の歩き方や姿勢、電柱に体の一部が隠れた歩行者の見え方など百万単位の画像データを収集。こうしたデータと車に搭載したカメラで捉えた映像とを照らし合わせて状況を把握、判断できるAIをつくる。
実際の映像がデータと完全に一致しないような場合でも、AIが「人ではないか」などと判断し、ハンドル、ブレーキ、アクセルを適切に操作できるようにすることが目標だ。AIにディープラーニングを取り入れることによって、人間のドライバーが上達するように判断の精度が高くなっていくと見込んでいる。
また、死角をなくすため、複数の小型カメラを使って車の周囲360度の映像を解析できる技術の導入を検討する。自動車メーカーなどとの協力も進める考えだ。
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ディープラーニング(深層学習) コンピューターが膨大なデータの中から特徴を見つけ出して認識、分類する手法で、データ処理を繰り返すことで理解を深めていく。ヒトの脳の神経回路をモデルにした。米グーグルは2012年、大量の画像からネコの顔を識別させることに成功したと発表。世界トップ級のプロ棋士を破った囲碁ソフト「アルファ碁」にも使用されている。
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