この流れはシステム導入後でも同じだ。 ユーザから「このエラーメッセージがよく画面に出てくるんだけど、これ、なんでしょう?」と質問され、「あ、気にしなくて大丈夫です。エラーじゃないですから」と答えたことで、ユーザから大目玉をくらったエンジニアがいた。 ユーザは、画面に出てくるメッセージが「エラーかどうか」を知りたいわけではなく、たびたび画面に表示されるメッセージが気になっているのだ。 だから、ここは、「気にしなくていいです」ではなく、そのメッセージの意味を説明すべき場面である。「これはバックグラウンドで作業が完了しました、ということを通知しているもので、エラーではないですよ」「バックグラウンドというのは、どういうことかというと…」と相手が気になっていることに対して、できるだけ平易な言葉で説明する。 専門用語を使わずに説明できればそれに越したことはないが、どうしても専門用語を使わざるを得ない場合は、言葉の定義、用語の解説をすることも必要だ。人は、説明の中に自分が理解できない用語が出てきただけで、説明全体が理解できなくなる。場合によっては、イラっとしてしまうこともある。相手にわかる言葉遣いを常に心がけるに越したことはない。 なお、上記のような場面で、エンジニアから「仕様ですから」と答えられ、ユーザががっかりしたという話も時々聴く。「仕様です」というのはあくまでも技術者視点での説明だ。 ユーザは、「仕様だからなんなのか」ということが知りたい。「仕様だとしても、どういう理由でそういう仕様になっているのか。その仕様は変更することはできるのか」といったことに関心がある。そういう相手の思いを汲み取って、相手視点で説明することが大事だ。 今回は、「説明すること」について解説した。自分が言いたいことをそのまま話すだけでは、「説明」にならない。相手の前提知識や状況に応じて、相手が望むことを把握し、それに合わせた説明をすることがポイントである。 |
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