ぜんそくなど重いアレルギー疾患を引き起こすたんぱく質を発見し、発症の仕組みを解明したと、千葉大の中山俊憲教授(免疫学)のチームが16日の米科学誌サイエンス・イムノロジーに発表した。このたんぱく質の働きを止める抗体を投与することで根本的な治療が期待できるという。 ぜんそくは気管支などが炎症を起こし、気道がふさがって呼吸困難を引き起こす。アレルギー反応を起こした病原性免疫細胞が血管の外に出て、炎症の原因となることが既に判明していた。 研究チームは、この免疫細胞が血管の外に出る仕組みに着目。アレルギー反応によって血小板から放出される「ミル9分子」というたんぱく質が血管内側に付着し、免疫細胞の通り道を作っていることを突き止めた。ミル9分子の働きを止める抗体を作ってぜんそくのマウスに投与したところ、免疫細胞が血管の外に出なかったという。 重度のぜんそくの治療は、免疫細胞の働きを弱めるステロイド注射など対症療法が主流だが、患者の免疫力が低下する恐れがあり、効果がない例も近年、多く報告されている。中山教授は「患者の不安が減る画期的な治療薬の開発につながる」と話している。【渡辺暢】
2016年9月17日土曜日
ぜんそく:発症の仕組み解明 血管にたんぱく質 千葉大
13:13
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