2016年12月10日土曜日

iPS創薬、国が支援 6年で60億円規模、大筋了承

 患者の細胞からiPS細胞を作り創薬につなげようと、国が新たな支援事業に乗り出す。文部科学省の部会が9日、来年度から6年間で約60億円規模の事業内容を大筋了承した。製薬企業が薬を作る際の種となる研究を積極的に支援する。

 同省幹細胞・再生医学戦略作業部会が、事業を担う研究機関の公募要領を了承した。早ければ来年1月に公募を開始。研究拠点1件ごとに数千万~1億円、具体的な研究課題も1件あたり数千万円を支援する。

 新事業は、再生医療と創薬の二本を柱に、10年で1100億円をiPS細胞研究に支援するという国の目標を具体化したもの。これまでは主に、高品質で安全なiPS細胞を「作る」技術の開発が続いてきた。新事業ではさらに進め、iPS細胞を「使う」ことに主眼を置く。

 難病に限定されてきたiPS細胞の研究対象を、成果が期待できる場合に限り、難病以外の病気の創薬にも広げる方針。各研究機関や大学には、理化学研究所バイオリソースセンターが中心となってiPS細胞を提供する構想という。(福宮智代、竹石涼子)


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