2017年2月13日月曜日

これがIT業界の給与事情、世界各都市のソフトウェアエンジニアやプロダクトマネージャーなどの平均給与を比較するとこうなる



By 401(K) 2012 

就職や転職活動の際には、志望する企業の理念や風土など気になることがたくさんありますが、「給料」も仕事を決める上での重要な点の1つ。求職サイトのHiredは、IT業界の中でもソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャー、データサイエンティストにしぼって都市別平均給与や平均給与の遷移などを分析し公開しており、就職や転職活動の参考になりそうです。 

State of Salaries - Hired 
https://hired.com/state-of-salaries-2017 

2016年のソフトウェアエンジニアの平均給与(市場別)を都市別に表したのが以下の地図になります。アメリカでは最も高いのがサンフランシスコ・ベイエリアで13万4000ドル(約1524万円)、続いてシアトルで12万6000ドル(約1432万円)、ニューヨークで12万ドル(約1364万円)となっており、アメリカの西海岸の都市が上位にランクイン。 


ヨーロッパだとロンドンが7万3000ドル(約830万円)で、パリが5万5000ドル(約625万円)。 


アジア太平洋を見てみると、シンガポールが6万1000ドル(693万円)、メルボルンが8万3000ドル(約943万円)、シドニーが8万1000ドル(約921万円)となっており、アメリカのソフトウェアエンジニアの平均給与の高さが目立ちます。データを分析したHiredによれば、考えうる多くの要因の中で、可能性が最も高いのはアメリカのテクノロジー市場が最も成熟しているということ。優秀な技術者が多くいることが高い給与につながる要因の1つと考えられるそうです。 


ソフトウェアエンジニアの給与ではサンフランシスコ・ベイエリアが最も高かったのですが、同都市は他の都市と比べて物価が高いこともあり平均給与が上がっているという実情があります。これを考慮して、Hiredはサンフランシスコ・ベイエリアの物価を考慮して各都市の平均給与を調整。その結果、サンフランシスコより平均給与が低いのは、同じく物価が高いニューヨークだけになりました。サンフランシスコの物価を基準にして考えると、他の都市の平均給与は大きく上がっています。 


以下の表は、「地元在住の求職者」に対する給与オファーと、「他の都市から引っ越してくる求職者」への給与オファーを記したもの。例えば、表の一番上にあるフランスでは「地元在住の求職者」への給与オファーが5万5000ドル(約625万円)であるのに対して、「他の都市から引っ越してくる求職者」への給与オファーが8万6000ドル(約978万円)となっています。これはフランスだけに言えることではなく、ロンドン・シンガポール・トロント・シカゴ・ロサンゼルスなど多くの都市において、「他の都市から引っ越してくる求職者」に高い給与をオファーする傾向があります。つまり、転職の際には自分が今住んでいる都市ではない場所で職を探す方が、より高い給与をもらえる可能性があるというわけです。 


以下のグラフは、プロダクトマネージャーおよびデータサイエンティストの平均給与の推移を表しています。紫色の点線がプロダクトマネージャーで、赤色の点線がデータサイエンティスト。2014年から2015年にかけては、2つの職種に成長率の違いはほとんどありません。しかし、2015年から2016年に目を向けると、プロダクトマネージャーが5.9%上昇しているのに対して、データサイエンティストは2.3%にとどまっています。また、平均給与もプロダクトマネージャーの方がデータサイエンティストよりも約1万ドル(約113万円)ほど高くなっています。 


面接で高い給与オファーをもらったプロダクトマネージャーおよびデータサイエンティストが持っていた技術は以下のとおりです。プロダクトマネージャーは「事業開発」「プロジェクトマネージメントおよび戦略」「Java」「Ruby」「アジャイルソフトウェア開発」「データマネジメント」、データサイエンティストは「機械学習」「データ分析」「Python」「SQL」「統計」「R」のスキルを持っていると、高い給与オファーを受け取りやすいとのこと。 


以下のグラフは「希望平均給与」と「実際の平均給与」を人種別に表したもの。左から黒人・ラテン・アジア人・白人となっています。この中で唯一「実際の平均給与」が「希望平均給与」を上回っているのが黒人。ラテンおよび白人は「実際の平均給与」が「希望平均給与」より下回っているいることがわかります。なお、アジア人は「実際の平均給与」と「希望平均給与」がほぼ同じという結果になりました。 


「希望平均給与」と「実際の平均給与」を年齢別に表したのが以下のグラフ。「20~25歳」では「希望平均給与」と「実際の平均給与」に差がありませんが、年齢が高くなるとその差も広がっていく傾向が見られます。ただし、「45~50歳」を境目にその差は縮まり、「50~60歳」では「実際の平均給与」の方が「希望平均給与」よりも高くなっていることがわかります。 


なお、調査会社は違いますが、求人サイトの PayScaleによると、日本におけるソフトウェアエンジニアの平均年収は約444万円で、海外とは大きな差があるようです。 

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