https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07216/?n_cid=nbpnxt_mled_dmh
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全日本空輸(以下、全日空)は2022年10月3日、同社の環境に配慮した取り組みを表現するために特別なデザインの塗装を施した航空機「ANA Green Jet」を披露した(図1)。同機には、燃費改善を目指した機体の表面加工の実証試験や、植物由来の原料を使ったヘッドレストカバーの採用など、二酸化炭素(CO2)の排出抑制を目的としたさまざまな施策を講じている。同年10月5日に運航を開始した。
燃費の改善を目指す試みとして、機体表面の一部にサメの肌を模した「リブレット加工」を施したフィルムを貼り付けた(図2)。リブレットとは、微細な三角形の凹凸構造(図3)。空気と接する面に同加工を施すと、摩擦抵抗が小さくなることが既に知られている(図4)。
「試算では、機体表面の80%にリブレット加工フィルムを装着した場合、燃費を約2%改善できる」(全日空代表取締役社長の井上慎一氏)という。同社が保有する全ての航空機に適用すると、ジェット燃料として年間95万t、CO2に換算すると同30万tの削減が見込める。
ただし今回の機体におけるリブレット加工フィルムの装着箇所は、「最も気流の激しい」(井上氏)胴体上部と右翼付け根の2カ所のみで、燃費改善を期待するものではない。あくまでもフィルムの劣化や変色といった耐久性の確認など、技術的な検証を目的としている。
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