2024年1月24日水曜日

サブナノ厚の2D半導体のみを単離する手法を開発 溶媒内の超音波処理、わずか1分

https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2401/12/news063.html

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東京大学は、溶媒内で超音波処理を行い、わずか1分という短い時間でサブナノ厚の2次元(2D)半導体単層を選択的に単離することに成功した。単離した単層を用い、多数の電極を有する単層デバイスの作製も可能である。

2024年01月16日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

99%を占めるバルク結晶は選択的に除去、デバイス設計の自由度を向上

 東京大学大学院総合文化研究科の桐谷乃輔准教授(研究開始当時は大阪公立大学)と中本竜弥特別研究学生(研究当時)は2024年1月、溶媒内で超音波処理を行い、わずか1分という短い時間でサブナノ厚の2次元(2D)半導体単層を選択的に単離することに成功したと発表した。単離した単層を用い、多数の電極を有する単層デバイスの作製も可能である。

 2D半導体は、厚みが約0.7nmという単層であっても半導体として機能することから、次世代デバイスの有力な材料候補として注目されている。これまでは、接着テープに貼り付けた2D半導体結晶に対して剥離を繰り返し、薄くした後に基板上へと転写する「剥離法」を用いてきた。しかしこの方法だと、単層と同時に厚みの99%を占めるバルク結晶も基板上に転写されていた。このバルクは不要なうえ、デバイス設計の自由度を大きく低下させていたという。

 研究チームは今回、溶媒内で超音波処理を用い、単層の結晶を単離する手法を開発した。この手法を用いると、MoS2などさまざまな遷移金属カルコゲナイドの結晶について、短い時間で基板上に単離することが可能となる。その理由として、「単層とバルク結晶における面内断裂強度の違い」を挙げた。

溶媒内で超音波処理を用い、単層の結晶を単離する手法のイメージ図溶媒内で超音波処理を用い、単層の結晶を単離する手法のイメージ図[クリックで拡大] 出所:東京大学
単離した単層を用い多数の電極を有するデバイスを作製単離した単層を用い多数の電極を有するデバイスを作製[クリックで拡大] 出所:東京大学

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