2024年7月27日土曜日

無秩序なガラスに潜む秩序の可視化に成功 ―「少しずれている」が優れた機能への道筋― 2024年7月25日 14:00

 

【本学研究者情報】

〇未踏スケールデータアナリティクスセンター
教授 志賀元紀
研究室ウェブサイト

【概要】

京都大学大学院工学研究科材料化学専攻ガラス基礎科学講座の増野敦信 特定教授、東京大学生産技術研究所の井上博之 教授、東北大学未踏スケールデータアナリティクスセンターの志賀元紀 教授らの共同研究グループは、原子配列に秩序が無いと思われていたガラスに潜む秩序を抽出し、可視化することに成功しました。

私たちの日常生活にガラス製品は欠かせないものとなっていますが、それらのガラスに含まれる原子は、緩やかな不規則ネットワーク構造を形成しています。私たちはこれまでに無容器法を用いることで、ネットワークを形成しないような組成で、優れた機能をもつガラスの合成に成功してきました。従来のガラス科学の考え方では、これらは「変な」ガラスですが、今回私たちが新たに開発した可視化手法で解析したところ、結晶のように秩序性の高い原子配列であることがわかりました。非常に歪んで乱れた原子配列と思われていた「変な」ガラスが、実は一般的なガラスよりもずっと結晶に近い「高秩序ガラス」だったのです。結晶の原子配列から少しずれたことが、ガラス形成を促し、機能発現をもたらしたと考えられます。この発見は、ガラスの新しい形成メカニズムの理解に貢献するとともに、さらなる高機能ガラスの開発に新たな道を開きます。

本成果は、2024年7月23日(現地時間)に国際学術誌「Scripta Materialia」にオンライン掲載されました。

無容器法で合成したガラスには、ネットワークを形成する物質は含まれていない。原子配列モデルからは、原子の並びが乱れていることしかわからないが、還元原子配列マップを用いると、内在する高い秩序性が見えてくる。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

【問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学未踏スケールデータアナリティクスセンター
教授 志賀元紀
TEL: 022-752-2205
Email: motoki.shiga.b4*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

(報道に関すること)
東北大学 情報部デジタルサービス支援課総務係
TEL: 022-795-3407
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(*を@に置き換えてください)

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