2024年7月29日月曜日

「次世代移動通信システム」に向けた「多数同時接続」実証実験に世界で初めて成功。情報通信研究機構の研究 石田雅彦 7/26(金) 携帯電話の5Gの電波塔と神奈川県横浜港のレーダーの電波塔からの電波は同質で、横浜では、女の子が産まれやすい、ダウン症や知的障害者が産まれやすい。都内区内では、幼稚園児が鼻血を出して大勢死んだ報告や安眠妨害被害やロイローゼで自殺した人が毎日増加中と言う報告も多いらしいです。携帯電話の5Gの実験は、キーサイト社が行ないましたが、いかにずさんで、悪い意味でいい加減だったが明るみになって来た形です。



https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/115a8a6a56bbf0b86ba53404b79caaacd6bdbb17




(提供:イメージマート)

 自動運転などの確立のためには多種多様な技術が必要だが、次世代移動通信システムは必須のものとなる。そのためには、第5世代移動通信システム(以下、5G)の多数同時接続の技術を、さらに進化発展させる必要がある。最近、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、量子コンピュータと古典コンピュータとを併用する新たなアルゴリズム(演算手法)を開発し、次世代移動通信システムで求められる無線通信実験に成功したと発表した。

量子力学のアルゴリズムとは

 日本では2020年の春から商用サービスが開始されている5Gは、多数同時接続、高速大容量、高信頼性・低遅延通信などが特徴となっている。それまでの4Gでの同時接続の目標値は1キロメートル平米あたり10万デバイスだったが、5Gでは100万デバイスと10倍以上になった(※1)。

 このため、ユーザーが多数集まるイベント会場などでスマートフォンなどの通信デバイスを同時に遅延なく使えるようになっているが、5Gの次の世代の移動通信システムでは、そのさらに10倍以上の同時接続が求められている。

 3G以降、音声データをはるかに上回るデータ通信量となり、求められる大容量化のためにいわゆるパケット通信として直交多元接続技術が使われてきた。その後、5Gでは、非直交多元接続技術(Non-Orthogonal Multiple Access、NOMA)が採用され、基地局アンテナ1本あたりの端末局数を複数台に増やすことが可能となった。

 だが、基地局は、複数の端末局から送信された信号を重畳して受信する。そのため、端末局ごとに受信信号を分離する処理(信号分離処理)が必要になり、端末局数が増えるにつれて受信信号の組合せの数が指数関数的に増加していく。

 信号分離処理の計算量が増えると計算に時間がかかり、この組合わせ最適化問題を高速に解くことが求められているが、そのための計算機として注目されているのが量子アニーリングのアルゴリズムを使ったマシンだ。

 量子アニーリングは、量子力学を使ったアルゴリズムの一つで、与えられた関数の最小値を求めるといったセールスマン巡回などの組合わせ最適化問題を解くことを主な目的に開発された。また、近年では量子シミュレーションとして物質の性質を明らかにするような問題への応用も進んでいるアルゴリズムだ。

 だが、次世代移動通信システムの非直交多元接続技術のような信号処理では、大量の複雑な組合せ最適化問題だけでなく、汎用的なアルゴリズムも必要になる。量子アニーリングのアルゴリズムは、信号分離処理のような汎用的な計算はあまり得意ではないからだ。

 一方、スーパーコンピュータを含む従来の01型のコンピュータでは、量子アニーリングなどの量子力学の計算はできない。そのため、計算のための量子デバイス、装置が必要となる(※2)。

 具体的には、非直交多元接続技術の信号分離では、変調多値数(M、データの割り当て可能な電波)と同時通信端末数(K)により組合せ数はMのK乗となり、計算量は指数関数的に増加する。また、基地局のアンテナ本数に対し、同時接続する端末局数が多くなるので、単純な計算(線形方程式)では解けない。

量子マシンと古典コンピュータのハイブリッド

 NICTの研究グループは、量子アニーリングの計算マシンと従来の01型の古典コンピュータをハイブリッドすることで、実用的なアルゴリズムができるようにする技術を開発し、実際の無線通信で使われる信号処理に応用して実証実験を行い、世界で初めて成功させた。

 これは量子アニーリングの強みをいかせる実用的な演算手法となる。また今回の成果は、2023年に開催されたIEEE(米国電気電子学会)で発表済みだ(※3)。

 実証実験では、上り回線の非直交多元接続技術の信号分離処理を対象とし、組合せの候補(正解とは限らない)を出力するサンプラーとして量子アニーリングの計算マシンを使って複数の候補を得た後、古典コンピュータで事後処理することで限られたサンプル数でも精度良く解を得ることができるアルゴリズムを使った。

 この古典コンピュータの事後処理は、NICTが独自に開発していた技術だという。また、単に二つの異なる計算機を接続するのではなく、各計算機の長所をいかせるように工夫することで、組合せ最適化問題を含む様々な信号処理の問題に応用することが可能だ。

 同研究グループは、このアルゴリズムの有効性を計算機シミュレーションと屋外実験によって確認した。

 シミュレーションでは、大規模な組合せ最適化問題(上記の変調多値数M=4、基地局のアンテナ1本あたりK=7、合せ数1万6000通り以上)に対して、古典コンピュータを用いた従来の信号分離と比較して誤り率特性が同等であることを確認した。また、このアルゴリズムを使うことで、信号分離処理に要する計算時間(量子アニーリングに要する時間の積算値として計算)は、古典コンピュータによる従来の計算時間と比較して、約10分の1に短縮できることを示した。



シミュレーションによるこのアルゴリズムの有効性の確認。同時通信端末局数(K)が増えても計算に要する時間は変わらず、Kが7の場合には1/10の計算時間となることがわかった。NICTのリリースより

 屋外実験では、このアルゴリズムを実装した無線通信実験系を開発し、屋外における電波発射による原理検証を目的とした実験(変調多値数M=4、基地局のアンテナ1本あたりK=4)を行い、エラーフリー(誤り率がゼロ)で伝送できることを確認した。この成果は、量子アニーリングの計算マシンを使った信号分離処理による非直交多元接続のオンラインでの屋外実験としては世界で初めての成功事例という。

 同研究グループは、今回の成果について量子アニーリングの計算マシンを用いた実用的なアルゴリズムが無線通信信号処理に適用可能なことを実証したとし、次世代移動通信システムに必要な5Gと比較して10倍という多数同時接続性能の実現に向けた重要な技術と述べている。

 まだ実際に10倍の多数同時接続性能が達成されたわけではないが、同研究グループは今後も改良や実証を進めていくとしている。また、量子アニーリングの計算マシンを使った技術は、次世代移動通信システムや他の大規模な組合せ最適化問題の解決に応用できる可能性があるが、それ以外の量子効果を使った計算機(量子ベクトルアニーラなど)や演算手法(量子インスパイアードなど)があり、そちらのほうの評価も進めていくという。

※1:ITU-R, "IMT Vision–Framework and overall objectives of the future development of IMT for 2020 and beyond" M Series, September, 2015
※2:Yuki Bando, Hidetoshi Nishimori, "Simulated quantum annealing as a simulator of nonequilibrium quantum dynamics" Physical Review A, Vol.104, 022607, 16, August, 2021
※3:Kouki Yonaga, Kenichi Takizawa, "Quantum Annealing-Aided Multi-User Detection: An Application to Uplink Non-Orthogonal Multiple Access" Proc. of IEEE International Conference on Communications 2023, DOI: 10.1109/ICC45041.2023.10279631, 23, October, 2023

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科学ジャーナリスト

いしだまさひこ:北海道出身。法政大学経済学部卒業、横浜市立大学大学院医学研究科修士課程修了、医科学修士。近代映画社から独立後、醍醐味エンタープライズ(出版企画制作)設立。紙媒体の商業誌編集長などを経験。日本医学ジャーナリスト協会会員。水中遺物探索学会主宰。サイエンス系の単著に『恐竜大接近』(監修:小畠郁生)『遺伝子・ゲノム最前線』(監修:和田昭允)『ロボット・テクノロジーよ、日本を救え』など、人文系単著に『季節の実用語』『沈船「お宝」伝説』『おんな城主 井伊直虎』など、出版プロデュースに『料理の鉄人』『お化け屋敷で科学する!』『新型タバコの本当のリスク』(著者:田淵貴大)などがある。

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