https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2504/01/news035.html
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研究開発の最前線
日本原子力研究開発機構は、プルトニウムからアメリシウムを分離回収する新しい手法を開発した。アメリシウム241は、長期間にわたって安定した電力を供給できる半永久電源の熱源として注目されている。
日本原子力研究開発機構は2025年3月18日、プルトニウムからアメリシウムを分離回収する新しい手法を開発したと発表した。常温下かつ簡便なプロセスで固体のアメリシウムを回収できる。
MOX燃料や使用済み燃料中に含まれるプルトニウム241は、β崩壊により1年間に約5%がアメリシウム241に変化する。半減期が432.2年のアメリシウム241は、長期間にわたって安定した電力を供給できる半永久電源の熱源として注目されている。
今回の研究では、汎用的な実験器具を用いた溶媒抽出法と精製法により、28gのプルトニウム241から0.43gのアメリシウム241の回収に成功した。具体的には、まず、溶媒抽出法により抽出剤を使用して、長期保管されたプルトニウムからアメリシウム241を分離した。
次に、抽出クロマト法によりプルトニウムと選択的に結合する樹脂を充填して、残ったプルトニウムを除去。さらにアメリシウムと選択的に結合する樹脂で濃縮した後、沈殿剤を用いて固体のアメリシウム241を取り出した。
抽出剤は気体に分解できるため、焼却処分して固体廃棄物の発生を抑制できる。また、アメリシウムのみならず、ストロンチウムといった有価元素の分離回収にも応用可能な手法だ。MOX燃料から不純物となるアメリシウムを取り除くことで、MOX燃料の品質も回復できる。
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