内閣府が1月16日にオープンした、マイナンバーポータルサイト「マイナポータル」の仕様が、ネット上で物議をかもしている。
「マイナポータル」は、別名「情報提供等記録開示システム」。マイナンバーを利用し、ユーザーがインターネット経由で自分の情報の確認や、自分に必要な行政手続ができることを目指すサイト。社会保険料や税金などの支払いをおこなえるサービスも検討されている。
本格的な運用は今年7月からとされているが、サイトの利用には、パソコンとICチップ搭載の個人番号カード、ICカードリーダーが必要。パソコンを持っていない人のためには公的機関に端末を設置することも検討され、将来的にはスマートフォン、タブレットの利用も想定されているというが、ICカードリーダーはユーザーが自分で購入しなくてはならない。
しかし、ネットユーザーを最も驚かせているのは「動作環境」だ。
というのも、利用できるブラウザはWindowsの場合Internet Explorer 11(32bit版)、Macintoshの場合Safari(7.1.8/8.0.8/9.0.3/9.1.3/10.0.2)。そしてJava実行環境の準備、ICカードリーダーの用意に加えてJPKI利用者クライアントソフトのインストールが必要。
Twitterには、
「マイナポータルの推奨環境を整えるのは難しいね。IE11、ICカード、JAVA…。」
「マイナポータル、せめてウェブ上で完結できるように作れよとしか言いようがない」
「ChromeやFirefoxには対応しようよ。こういうサイトに個人情報を渡したくない」
「どうしてこうなった。今時JAVAアプレットなど使っている人はそうそういないだろうに。何かの冗談だろこれ。せめてJavaScriptにしてくれ。」
と唖然とする声が続出。
これまで、e-TAXにしろ住基ネットにしろ、「普及した」とは言い難い政府主導のネット施策。「マイナポータル」も果たして積極的に利用してもらう気があるのかどうか、疑わしいという感想をもったユーザーは少なくないようで、
「JAVA環境インストールさせてICカードでってe-taxでセキュリティだのメンテナンスだので散々な目にあって懲りたと思ったんだが」
と、もはや呆れたような声や、
「『マイナポータル』は、本当に普及され、多くの人に使ってもらいたいと思って考え出されたシステムなのだろうか。多くの情報機器弱者が存在することを考慮したシステム設計なのだろうか?今のままでは、機器設定の段階で、諦める人が多いだろう。」
と、今回も普及は厳しいのではないかとみる声も散見される。ただでさえもともと1月からの運用開始が、7月にずれ込んでいる現状、ユーザーの声を受けた"改善"はあるのだろうか。
(花賀 太)
(R25編集部)
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