大型トラックの運転席がある「キャブ」(もしくはキャビン)と呼ばれる部分。この上についている「ルーフ」がツイッターで話題になっています。空気抵抗を減らすためのパーツかと思いきや、中には人が横になるためのスペースがあるというのです。本当なのでしょうか? トラックメーカーに話を聞きました。
先月23日、「大型トラックの頭のモッコリした部分が寝室だって最近知った」という文言とともにトラックの画像がツイッター投稿されました。
画像を見ると、ルーフ部分がベッドスペースになっていることがわかります。この投稿に対して「知らんかった!」「これで旅してえなぁ」といったコメントが寄せられ、リツイートは7900を超えています。
すべての車両がそうなのか? 日野自動車の広報担当者は「すべての車両ではありません。うちの場合は『スーパーハイルーフ』と呼ばれる装備がそれに当たります」と話します。
キャブのバリエーションは大きく分けて、「フルキャブ」と「ショートキャブ」があります。その名の通り、ショートキャブは横から見たときの長さが短いタイプです。
「公道を走るトラックは全長12mまでと決められています。少しでも多く荷物を積み込めるようキャブを短くしたものがショートキャブです」と広報担当者。
フルキャブは運転席の後ろにスペースがあり、そこで横になることができる仕様ですが、ショートキャブはその部分をなくすことで短くなっています。
荷物はいっぱい積みたいけど、運転手が休めるスペースも欲しい――。そんな要望に応えるべく用意されたのが、スーパーハイルーフなのです。
「高速道路を走ることが多い場合は、空気抵抗を減らして燃費を向上させる『ウインドリフレクター』をつけたり、室内空間を広くとりたい場合は、天井を高くした『ハイルーフ』を選んだり。お客さまが何を重視するかでオプションは変わってきます」
いすゞ自動車は「マキシルーフ」の名称で、三菱ふそうトラック・バスは「スーパーマルチルーフ」という名称で同様のオプションをショートキャブ向けに展開しています。3社とも空調や電灯、電源などを備えており、快適さも重視しているようです。
三菱ふそうの「スーパーマルチルーフ」は、跳ね上げ式フロアを採用することでハイルーフとして使うこともでき、キャブ本体とルーフベッド部のデザインを一体化することで、空力特性を高めるドラッグフォイラー(導風板)としての機能も備えている点を売りにしています。
今回ツイッターで話題になった画像は三菱ふそうの車両でした。広報担当者は「話題になっていることを嬉しく思います。お客様にご満足いただける装備を充実することはもちろん、今後も『Drivers First』を念頭に商品を開発・生産・販売を展開してまいります」と話しています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
ツイッターで話題に
ショートキャブのオプション
会社によって異なる名称
0 コメント:
コメントを投稿