2015年04月11日 トピックス
静岡理工科大学の高橋久教授の知的電子制御システム研究室、JSR、東京エレクトロン、イビデンは、電気自動車(EV)を約5分間でフル充電できる蓄電システムの実用化にめどをつけた。3社が共同開発したリチウムイオンキャパシター(LIC)に高橋教授が考案した電源回路と充電アルゴリズム(計算手順)を組み合わせた充電器で充電する。スマートフォンに使った場合、コンセントにさして数十秒でフル充電できるという。量産技術を開発し、コスト低減に取り組む。
共同開発したLICは充電時に温度が上昇しないため安全性が高い。このため、スマホやEVといった幅広い機器に搭載できる。リチウムイオン二次電池に比べて急速に充放電できるほか、長寿命。20万回の充電に耐えられるため、スマホを毎日充電したとしても600年は使える計算だ。バッテリー交換の必要がないため、機器の設計自由度を高められる。
電動バイクによる実証実験では、実装されているリチウムイオン二次電池の約20分の1となる容量(47ワット時)のLICと、変換効率96%の絶縁型双方向DC/DC(直流/直流)コンバーターを搭載した。高橋教授が開発した充電アルゴリズムを用いた充電器で10秒間充電した結果、約3・4キロメートル走行できた。LICの容量を既存搭載のリチウムイオン電池の約半分の500ワット時にすると、30秒間の充電で30キロメートルの走行も可能としている。一般的なリチウムイオン二次電池の場合、充電に6時間近くかかる。
日産自動車のEV「リーフ」の場合、リチウムイオン二次電池は容量24キロワット時で、急速充電には約30分間かかる。この容量のLICを搭載し、専用充電器で充電すると約5分間と試算している。ただ、リーフの航続距離は228キロメートルなのに対し、LICは同約150キロメートルとしている。また、超小型EVに容量15キロワット時のLICを搭載した場合、3分間の充電で100キロメートルを走行できる。価格は「セルにした場合、1ファラッド(静電容量の単位)1円にしたい」(高橋教授)としている。
3社は2010年に「次世代LIC総合技術研究組合」を発足。LICは瞬時電圧低下(瞬低)対策用の電力補償装置のほか、アイドリングストップ用として一部車種に搭載されている。
共同開発したLICは充電時に温度が上昇しないため安全性が高い。このため、スマホやEVといった幅広い機器に搭載できる。リチウムイオン二次電池に比べて急速に充放電できるほか、長寿命。20万回の充電に耐えられるため、スマホを毎日充電したとしても600年は使える計算だ。バッテリー交換の必要がないため、機器の設計自由度を高められる。
電動バイクによる実証実験では、実装されているリチウムイオン二次電池の約20分の1となる容量(47ワット時)のLICと、変換効率96%の絶縁型双方向DC/DC(直流/直流)コンバーターを搭載した。高橋教授が開発した充電アルゴリズムを用いた充電器で10秒間充電した結果、約3・4キロメートル走行できた。LICの容量を既存搭載のリチウムイオン電池の約半分の500ワット時にすると、30秒間の充電で30キロメートルの走行も可能としている。一般的なリチウムイオン二次電池の場合、充電に6時間近くかかる。
日産自動車のEV「リーフ」の場合、リチウムイオン二次電池は容量24キロワット時で、急速充電には約30分間かかる。この容量のLICを搭載し、専用充電器で充電すると約5分間と試算している。ただ、リーフの航続距離は228キロメートルなのに対し、LICは同約150キロメートルとしている。また、超小型EVに容量15キロワット時のLICを搭載した場合、3分間の充電で100キロメートルを走行できる。価格は「セルにした場合、1ファラッド(静電容量の単位)1円にしたい」(高橋教授)としている。
3社は2010年に「次世代LIC総合技術研究組合」を発足。LICは瞬時電圧低下(瞬低)対策用の電力補償装置のほか、アイドリングストップ用として一部車種に搭載されている。
日刊工業新聞2013年12月4日1面
COMMENT
- 栗下直也
- デジタルメディア局DX編集部
- 記者
米スタンフォード大学が1分でスマホを充電できるアルミ材料の電池の開発をこのほど発表したみたいですが、日本も負けていられません。