https://news.yahoo.co.jp/articles/f88037fed17f1f5b7a7e1bea811b257b52150bb2
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
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https://news.yahoo.co.jp/articles/f88037fed17f1f5b7a7e1bea811b257b52150bb2
ロシアによるウクライナ侵攻から5ヵ月が経過した。 戦線は膠着状態に陥り、「消耗戦」の様相が強まっている。犠牲者や戦費ばかりが日ごとに増えていく展開だ。 【写真】ソ連兵の「性接待」を命じられた乙女たちの、70年後の告白 ウクライナ政府は西側諸国からの軍事支援でロシアへの反撃を試みようとしているが、当初の狙いどおり事態は進展していない。 ロシアのプーチン大統領側が対応策を講じているからだ。 侵攻直後、ロシア軍に致命的な打撃を与えて注目されたウクライナ軍のドローンはその威力をすでに失っている。 ロシア軍がウクライナ軍のドローン識別のために早期警戒レーダーを活用するとともに、ドローンの交信を妨害するなどの電子戦システムを構築して防御システムを確立したからだ。
ロシア軍が地対空防衛システムを強化したことにより、米国製(グレイ・イーグル)などの最新型の攻撃型ドローンも機能しなくなっている。 一方、ロシア軍は監視、偵察任務のために多くのドローンを戦場に投入しており、これに効果的に対処できる装備を持たないウクライナ軍は苦戦を強いられている。 そうした中で、戦況を抜本的に改善できると期待されているのは高機動ロケット砲システム「ハイマース」だ。 米国からウクライナにすでに16基供与されており、戦場ですでに効果を発揮し始めていると言われている。 しかし、じつは専門家の見方は冷ややかだ。 ハイマースで指揮所や弾薬庫を攻撃すれば、ロシアの進軍を遅らせることができるが、ウクライナ軍に領土奪還をもたらすだけの能力は有していないからだ。 いたずらに現在の膠着状態を長引かせるだけなのかもしれない。懸念されるのはロシア軍がハイマースから発射されるミサイルを迎撃する術を習得しつつあることだ。ハイマースはドローンなど空からの攻撃に脆く、ロシア軍が今後この弱点を攻めてくる可能性が高いのだ。 後編記事『プーチンの「思惑通りだ」「危険な状況だ」…! ウクライナ軍が“兵力ダウン”“戦費枯渇”で直面する「ヤバすぎる現実」』では、さらにウクライナが直面している厳しい現実についてレポートしよう。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)
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