2016年7月5日火曜日

MRI(核磁気共鳴画像法)のソフトウェアにバグ、直近1年の研究結果などが全て無 効に



By liz west 

核磁気共鳴現象を用いることで生体内の情報を画像にすることができるのが「 MRI(核磁気共鳴画像法)」です。CTスキャンとは異なり放射線を使用しないので、放射線被ばくがないという安全面での利点があるのですが、このMRIで採用されているソフトウェア上でバグが発見され、約4万件ものMRI画像を用いた研究結果が無効になることが明らかになりました。 

MRI software bugs could upend years of research • The Register 
http://www.theregister.co.uk/2016/07/03/mri_software_bugs_could_upend_years_of_research/


人間の脳の断面画像を撮影する際に頻繁に用いられるのがMRIで、これまで脳に関する研究で多くのMRI画像が使用されてきました。しかし、過去1年間の「MRI画像を使用した研究結果」は、全て無効とされることになります。その原因は至ってシンプルで、MRIで使用されているソフトウェア上でバグが見つかったためです。MRIを用いた脳の高解像度スキャンを科学的根拠とする研究では、脳を「 ボクセル」に分解し、これをソフトウェアがスキャンします。このソフトウェア上にバグが存在したことが明らかになっています。 

バグを発見したのはスウェーデンとイギリスの科学者で、現在MRIで採用されているソフトウェアでは多くの誤検査が行われてしまう可能性がある、と指摘しています。また、 Proceedings of the National Academy of Sciencesでこの 事実を指摘した論文には「fMRI分析(SPM、FSL、AFNI)用の一般的なソフトウェアパッケージでは、最大70%の誤検出の可能性がある」と記されています。 

By Roger Mommaerts 

このMRI用ソフトウェアで発見されたバグにより、約4万件のfMRIを使用した研究結果の正当性が疑われることとなり、神経画像検査結果の判断にも大きな影響を与えることになる、とのこと。なお、バグが見つかったのは「3dClustSim」と呼ばれるソフトウェアパッケージで、バグが発生したのは2015年の5月からだそうです。 

0 コメント:

コメントを投稿