2016年10月17日月曜日

蚕にグラフェンやカーボンナノチューブを食べさせたら…強化シルク誕生



アナログなハイテク。

通常、クワを食べて絹を吐き繭を作る蚕。「あれ、もしかしてクワじゃなくて違うもの食べたら、絹じゃない繊維を作りだすんじゃね?」 なーんて、そのへんの素人が笑い話にしそうなことを、真面目に考えて研究するというのですから、学者というのは偉大なものです。蚕にグラフェンや単層カーボンナノチューブを食べさせることにより、本当に強度の高いシルクができるんですって。

新繊維の開発に取り組んだのは北京の精華大学、Yingying Zhang氏のチームです。水の重量に対して0.2%の割合で、グラフェン、またはカーボンナノチューブを水と混ぜ、その液体をスプレーしたクワの葉を蚕に食べさせました。

その結果、通常の絹を作り出すプロセスと同じようにできた繊維は、従来のシルクよりも50%強度が高く、1,050℃まで熱すると電気伝導も可能な強化シルクとなりました。

同じく蚕を使った研究を行なう東華大学のYaopeng Zhang氏は、Scientific Americanにて「カーボン強化されたシルクでの電気伝導は、スマート布や神経シグナルを読み取るセンサーの開発に繋がるかもしれない」と解説し、今後の展開に期待をよせています。

スマート布、スマート服、スマートパンツ…! ガジェットの世界はますます広がりそうです。


image by KentaStudio / Shutterstock
source: Scientific Americanc&en

Rhett Jones - Gizmodo US[原文
(そうこ)



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