2016年10月10日月曜日

重労働 除雪ロボにお任せ/自律移動、研究本格化

画像フォーラムで公開された自律除雪ロボット。右から2人目が開発を進めている竹囲助教

 雪国の重労働の除雪を楽にしようと、弘前大学大学院理工学研究科の竹囲(たけい)年延(としのぶ)助教(38)は、自動で動いて除雪する「自律除雪ロボット」の開発を進めている。市販の電動ラッセル除雪機に、自律移動システムを組み込んだロボットで、実用化に向け、今月末にも県内の機械メーカーとの共同研究を本格化させる。

 5日、弘大で開かれた「ひろさき産学官連携フォーラム」(櫛引利貞会長)のイブニングフォーラムで試作機を公開した。

 竹囲助教はロボット工学が専門。昨年10月に弘大に赴任後、自律除雪ロボットの開発に着手した。

 竹囲助教によると、自律移動システムは、自動車での実用化が進められている自動運転にも使われている技術。レーザーで全方向の物体の形状や距離を測定し周辺の環境を記憶した後、設定されたスタートとゴールの間を移動する仕組み。

 除雪ロボットの現在の試作機はコントローラーで操縦する段階だが、地上で自律的に走行できる段階に近づいているという。竹囲助教は「冬に入ったら、実際に雪の中で運転できるか、屋外で実証実験したい。将来的にはロボット掃除機のように庭を除雪できれば」と話す。

 価格や発売時期は現段階で未定。価格の鍵を握るのは、自律移動システムの目に当たる「レーザーレンジセンサ」の値段。現状では数十万円するが、今後、自動運転技術が普及すれば、より安価になる可能性があるという。

 フォーラムには約30人が参加。竹囲助教らは、レーザーで周辺の環境を認識するシステムを実演した後、除雪ロボットを動かした。参加者からは「リンゴ畑の草刈りにも応用できそうで、興味深い」と期待する声があった。同日は、福祉工学が専門の弘大・長井力助教(43)も、歩行動作を支援する装置の開発などについて講演した。

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