ホンダは7月12日、大同特殊鋼株式会社とともに「重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石」を世界で初めて実用化し、ハイブリッド車(HV)用駆動モーターとして新型「FREED」に採用すると発表したが、これは重希土類を使用しない磁石の開発成功という非常に画期的な出来事だ。
従来のハイブリッド車のモーターにはジスプロシウムなどの重希土類が使用されているが、ジスプロシウムの生産量は中国がシェアの多くを占める重希土類であり、過去には価格が高騰するなど調達面での問題も生じていた。
中国メディアの今日頭条は13日、ホンダが発表した重希土類完全フリーのHV用モーターについて、「中国に往復ビンタを食らわす」、画期的な発明であることを伝えている。
記事は「資源型経済は最後には必ず科学技術型経済によって淘汰される」と主張。中国はレアアース分野において、資源大国として「資源型経済」を構築してきたが、単にレアアースを採掘し、精製して輸出するだけの構造は「科学技術型経済により未来を切り開こうとする日本によって淘汰される」という見方を示した。
重希土類完全フリーモーターはコスト面でも従来のモーターに比べて「1割程度下がる見通し」であり、重希土類を使用しないことによってコストは安くなる見通しだ。ホンダは重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石を順次新型車に適用を拡大していく方針を示しており、それだけ中国産レアアースへの依存が減ることを意味している。
中国はこれまでレアアースを戦略資源として見なしてきたが、記事が重希土類を使用しない磁石の開発について「中国に往復ビンタを食らわす」発明であると指摘したのは、技術の進歩によってその戦略性が崩れる可能性も排除できないためだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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