https://karapaia.com/archives/52171307.html

トキソプラズマは猫以外の人間等を含める動物に感染する場合があるが、子どものころから猫と接している人はトキソプラズマに抗体を持っているので感染症にはならない。通常は免疫系により抑え込まれるため、妊娠初期を除いては大きな問題にはならない。
広告
今回行われた研究ではトキソプラズマが免疫系を刺激し、誘導する性質を利用している。トキソプラズマによって引き起こされた免疫細胞を誘導し、ガン細胞を破壊しようという試みなのだ。ブジック氏は今回使用されたトキソプラズマに人工的な細工を施している事を論文の中で明かした。

トキソプラズマを「皮膚がんに侵されたマウス」と「卵巣腫瘍に侵されたマウス」の二つのグループに投与した。その結果両方の研究でマウスの腫瘍のサイズは低下し、生存率も飛躍的に上がったそうだ。
寄生生物の命

ブジック教授によると、トキソプラズマは非常に賢い生命体であり、宿主を殺さない程度の感染力を持ち、同時に宿主が自身の免疫系によって死んでしまわないようにしているのだという。こういった事を可能にするのはトキソプラズマの特徴である「免疫系の操作」である。

「細胞傷害性T細胞は腫瘍等を破壊することが出来る免疫細胞なのですが、そのT細胞もまた、腫瘍によって生成が阻害されてしまう場合があるんです。」とブジック教授はそう語る。今後は人間に投与する為、更なる改良を重ね、この課題に挑戦していくそうだ。
via:livescience・原文翻訳:riki7119
0 コメント:
コメントを投稿