2015年9月12日土曜日

がん治療の常識が180°変わる?がん細胞を正常細胞に変える新技術



がんの治療といえば、手術や抗がん剤など、身体に負担のかかるものでした。ところがアメリカの研究グループが、『がん細胞を健康な細胞に戻す』という、画期的な治療法を発表しました。

がん細胞 突然変異

がんはもともと『普通の細胞』

がん細胞も、もともとは健康な細胞でした。それが何かのきっかけ(化学物質やウイルス感染)で突然変異を起こしてしまい、異常な細胞になったものががんです。

がんを治すには、手術で腫瘍を切り取る、抗がん剤で周りの細胞ごと攻撃する、など、身体の負担の大きい治療がほとんどでした。
アメリカのメイヨークリニックの研究グループは、この『変異してしまったがん細胞』を『正常な細胞』に戻すことができるかもしれない、と発表しました。

接着タンパクが、がんを増やす

正常な細胞は『接着タンパク質』という物質のおかげできちんとくっついています。
研究グループは、この接着タンパク質ががん細胞にも存在し、がんが成長するのに必要な要素な物質であることを突き止めました、実際に、接着タンパク質に突然変異が起きると、がん細胞も急速に大きくなったのです。

がんの成長を止める相棒

この接着タンパク質には、『microRNA』という相棒がいます。
microRNAは細胞の成長をストップさせる物質で、一見細胞の接着とは関係なさそうなのですが、接着タンパク質に異常が発生すると、microRNAにも異常がでます

逆に、細胞ががん化してしまった後でも、microRNAを正常に戻せば、がんの成長が止まり、正常な細胞に戻すことができたのです。

今回の実験で、『接着タンパク質』と『microRNA』という、かけ離れた物質同士に相互作用があることがわかったことは、今後のがん治療に光をさすかもしれません

厳しい化学療法や手術を必要とせずにがん治療ができる未来がくるかもしれない

メイヨークリニック Kourtidis博士

いまのところ、がん細胞が元の正常な細胞に戻ったのは、急性の乳がん、肺がん、膀胱がんの場合のみですが、今後の研究に期待です。

メイヨークリニック


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