グルカゴン様ペプチド‐1(GLP-1)受容体作動薬であるデュラグルチドの週1回投与により、2型糖尿病患者の治療満足度が向上することが、「Diabetes, Obesity and Metabolism」9月号に掲載の論文で報告された。
ERT社(英・ピーターバラ)のMatthew Reaney氏らは、52週間にわたりデュラグルチド週1回投与(1.5mgおよび0.75 mg)を受けた2型糖尿病患者と、同じくGLP-1受容体作動薬のエキセナチドまたはプラセボ(AWARD-1試験)、あるいはビグアナイド薬のメトホルミン(AWARD-3試験)の投与を受けた同患者の治療満足度を比較検討した。
その結果、AWARD-1試験において、デュラグルチド投与(26週後および52週後)とエキセナチド投与(26週後)で、糖尿病治療満足度質問票の状況測定版(Diabetes Treatment Satisfaction Questionnaire status version:DTSQs)の総スコアに、ベースラインからの有意な改善が認められた。デュラグルチド投与では、プラセボ投与(26週後)およびエキセナチド投与(26週後および52週後)に比べて有意な改善が認められた。
高血糖の自覚頻度については、すべての投与群で、ベースラインに比べて26週後および52週後に頻度が減少していた。改善度が大きかったのは、26週後のデュラグルチド投与とエキセナチド投与をプラセボ投与と比較した場合と、26週後および52週後にデュラグルチド投与をエキセナチド投与と比較した場合だった。
AWARD-3試験では、いずれの投与群でも、26週後および52週後のDTSQs総スコアがベースラインから有意に改善していた。また、すべての投与群で、ベースラインに比べて、26週後および52週後における高血糖の自覚頻度が低下した。改善度が大きかったのは、52週後にデュラグルチド投与をメトホルミン投与と比較した場合だった。
これらの結果を踏まえ、同氏らは、「デュラグルチド投与によって、2型糖尿病患者の治療満足度が改善し、高血糖の自覚頻度も減少する」と結論づけている。
なお、研究終了時点で、著者らはすべてEli Lilly and Company社の社員であったとしている。
記事原文 [2015年8月27日/HealthDayNews]
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