2015年9月24日木曜日

乳がんの新しい治療法の可能性、「HER2」を持っているタイプで 2つの遺伝子に注目




乳がんの病変と病変から続くリンパ管とリンパ節の配置。記事と直接の関係はありません。(写真:Cancer Research UK/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際、色調を改変)
乳がんの病変と病変から続くリンパ管とリンパ節の配置。記事と直接の関係はありません。(写真:Cancer Research UK/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際、色調を改変)
 乳がんの増殖に関わる「HER2」を持つタイプで新しい治療法の可能性が開けてきているようだ。

「治りにくい乳がん」に着目

 米国の研究グループが、生物学系の専門誌であるサイエンス・シグナリング誌2015年5月号で報告しているもの。

 がん治療に関する研究の多くはがん遺伝子に着目している。

 研究グループはこのようながんの一つで、「HER2」を持っている乳がんの新しい治療法を探るため、人の乳がん細胞を実験室レベルで調べている。

 研究グループによると、HER2を持っている乳がんは既存の治療効果が乏しく、半分以上の場合に病気が進行している。

 研究グループは良い治療の手段を探っている。

弱点を見つける

 HER2と関係するERBB2という遺伝子の働きが過剰になるところに着目。ERBB2の過剰な働きが確認できるがんでは、「小胞体関連分解(ERAD)」という遺伝子の働きも過剰になっていると分かった。

 がん細胞の生存に重要になるものだ。

 ERADの信号を邪魔すると乳がんの治療につながる可能性を見出している。

がん細胞を死なせる信号

 研究グループはさらにERADの信号に働きかける方法を探している。

 「IRE1-JNK」と呼ばれる信号ががんを抑えられる可能性があると分かった。JNKは細胞を自殺にうながす働きがあるという。

 ERADを邪魔したり、JNKの機能を高めたりする実験を実施。HER2を持つ乳がんのがん細胞を殺せると確認している。

 今後、がん細胞を死なせる新しい治療として注目される可能性もあるようだ。

文献情報

世界初、切らずに治す乳がん治療 早期乳がんの陽子線による単独治療の 1 例 目 を無事終了
http://neovisionconsulting.blogspot.jp/2015/10/1.html

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