奈落の底に沈むように株価がまた続落だ。21日の終値は前日比398円安の1万6017円。ピークの2015年6月22日から140営業日で23.24%の下落だ。
あのバブル崩壊局面(1989年12月~90年)でさえ、こんなに急激には下落しなかった。こんな相場に大量の年金資金が投入されているのかと思うと、ゾッとしてくる。野党はこれこそ、4月の衆院補選や7月の参院選の争点にすべきではないか。国民の虎の子の年金を鉄火場に突っ込んでいいのか。まして、結果は大損なのだ。
まさしく、「責任者出てこい!」だが、運用を担う年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の責任者(理事長)は昨年1月、給料が6割も上がって、年収3100万円になった。最高投資責任者(CIO)の年俸も3000万円。なぜ上げたかというと、「高度で専門的な人材確保」(GPIF)のためである。
■野党はこれで共闘すべき
なぜ、専門的な人材が必要かというと、「株式投資50%(国内25%、海外25%)、外国債投資15%というアクティブな運用に切り替えたからだ。その揚げ句、昨年7~9月期だけで7.9兆円の運用損を出した。ちなみに7月1日の日経平均終値は2万329円。9月末は1万7388円。いまは1万6000円だから、いまや、運用損は10兆円ぐらいに膨れ上がっているはずである。「消えた年金」どころの騒ぎじゃないのだ。国会議員時代に年金問題を徹底追及した世田谷区長の保坂展人氏はこう言っている。
「GPIFの前身、年金福祉事業団はグリーンピアや年金住宅融資で大赤字をつくった。でも、国会議員の年金未納問題で大騒ぎしているうちにウヤムヤになり、140兆円を超える積立金を全部運用するようになった。典型的な焼け太りがGPIFに引き継がれ、国民共有の財産をリスクにさらしている。基礎年金の原資まで株式運用している国はほとんどない。米国でさえ基礎年金部分は“市場を通さない国債”で安定運用をしている。ハイリスク運用の是非を選挙の争点にして、今こそ、歯止めをかけるべきです」
恐ろしいのは安倍政権がさらなるバクチに向かって突き進もうとしていることだ。いまは外部委託運用のGPIFに直接投資を解禁すべく、厚労省では立法準備が進められている。
「財界も官僚も反対なのに官邸が先走っているのです。こんなものがまかり通ったら、政府が恣意的に株式投資をできるようになる。政府に逆らうテレビ局は株を売られてしまう。そんな事態にもなりかねません」(民主党の山井和則衆院議員)
国民の老後は野党共闘にかかっている。
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