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2015.12.11
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
/(C)日刊ゲンダイ
いよいよ国民の年金が危なくなっている。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が7~9月期の運用で約7兆8899億円もの巨額損失を公表して以降、日経平均は下落傾向。わずか10日間で1000円近く下げ、1万9000円割れが見えてきた。
GPIFの三石博之審議役は「10月以降の市場環境は回復しており、今年度の直近までの収益額はプラスに転じる基調」と強弁していたが、本当なのか。GPIFは市場平均さえ下回る運用ベタなのだ。大手証券関係者はこう言う。
「135兆円もの国民の資産を預かっておきながら、運用委員に投資のプロはいません。しかも、公表したのは収益率や収益額など大まかな数字だけ。株高を演出するためにポートフォリオを大幅に組み替え、国内株や海外株の比率を12%から25%へ引き上げたのに、資産ごとのパフォーマンスさえ算出していない。そもそも、運用会社に投資を委託した時点で、元本から手数料を差し引かれ、年金は目減りしている。一般的に契約時に運用額の2%、利益が出ればそこから10~20%を抜かれます。その揚げ句、過去最大の運用損を出したのですから、目も当てられません」
GPIFの収益率は市場平均を大きく下回っている。指標数値は国債0.62%、国内株マイナス12.78%、外債マイナス0.91%、海外株マイナス11.09%。ところが、公表データから計算したGPIFの運用成績は国債0.57%、国内株マイナス14.96%、外債マイナス1.31%、海外株マイナス12.50%と散々。バカ高い手数料をむしり取られて穴をあけられているんだから、ア然ボー然だ。
その上、新ポートフォリオのキーマンとされるCIO(最高投資責任者)の水野弘道氏はウォールストリート・ジャーナルの取材に「すべてを見ることで人々の年金運用に対する信頼度が高まるとは限らない」と話し、四半期ごとの開示廃止をにおわせているから、メチャクチャだ。経済評論家の山崎元氏はこう言う。
「収益が悪化した途端、情報をオープンにしないというのは筋が通りません。国民生活を支える年金を運用しているのですから、透明性を高めるのは当然。そもそも、情報開示を求められているのは、国民が政府の年金運用を信頼していないからでしょう」
このままでは国民の年金資産は減る一方だと分かったからなのか、自民党は確定給付型と確定拠出型をチャンポンにした「第3の企業年金制度」を来年から導入しようとしている。責任逃れと目くらましはいい加減にしろ、という話だ。
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