(更新 2016/4/ 5 07:00)
“緑内障”の最新治療法とは(※イメージ)
また緑内障には、隅角の広さが十分にある開放隅角緑内障と、隅角が狭い閉塞隅角緑内障があり、前者はさらに、眼圧が高いタイプと、眼圧が正常範囲(10~20mmHg)のタイプがある。日本人の緑内障の6、7割は「正常眼圧緑内障」だ。
治療法は、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障で異なる。ここでは、最も多数を占める「原発開放隅角緑内障」の治療を紹介する。
緑内障は完治させられる病気ではなく、治療目的は視神経や視野の障害の進行を抑えることにある。そのための手段として、唯一、科学的根拠が認められているのが、眼圧を下げることだ。方法として薬物療法と外科的治療がある。
治療では、個々の患者の状態から目標眼圧を設定し、まず点眼薬から始める。目標眼圧になれば点眼治療を続けるが、効果が不十分なら外科的治療を検討する。
障害の程度が軽ければ、レーザー光線で線維柱帯を焼く「レーザー線維柱帯形成術」、少し進んでいれば、メスで線維柱帯を切り開く「線維柱帯切開術」がおこなわれるが、実施数が多いのは「線維柱帯切除術」だ。
この手術は、詰まった線維柱帯を含む強膜の一部と虹彩に穴を開け、房水を目の外に逃がすバイパスを作るもの。房水は結膜の下に流れ、そこで「ろか胞」と呼ぶ水たまりを作る。たまった房水は結膜組織に吸収される。
「人体は傷があれば修復しようとしますが、傷が治って『瘢痕化』すると、ろか胞がつぶれてしまいます。手術では傷を治しにくくする薬を塗布しますが、それでも瘢痕化した場合は、再手術をして癒着をはがすか、別の場所にろか胞を作ります」(同)
瘢痕化しやすい人は手術を繰り返すが、2~3回ほど手術すると、ろか胞を作る場所がなくなってしまう。
そういう難治患者には、2012年に保険適用になったインプラント(人工物)を埋め込む「チューブシャント手術」が有用だ。インプラントは、チューブにプレートがセットされたタイプと、チューブだけのタイプに大別できる。難治患者に用いるのは前者で、「バルベルト」と、プレートに調圧弁がついた「アーメド」の2種類がある。
※週刊朝日 2016年4月8日号より抜粋
また緑内障には、隅角の広さが十分にある開放隅角緑内障と、隅角が狭い閉塞隅角緑内障があり、前者はさらに、眼圧が高いタイプと、眼圧が正常範囲(10~20mmHg)のタイプがある。日本人の緑内障の6、7割は「正常眼圧緑内障」だ。
治療法は、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障で異なる。ここでは、最も多数を占める「原発開放隅角緑内障」の治療を紹介する。
緑内障は完治させられる病気ではなく、治療目的は視神経や視野の障害の進行を抑えることにある。そのための手段として、唯一、科学的根拠が認められているのが、眼圧を下げることだ。方法として薬物療法と外科的治療がある。
治療では、個々の患者の状態から目標眼圧を設定し、まず点眼薬から始める。目標眼圧になれば点眼治療を続けるが、効果が不十分なら外科的治療を検討する。
障害の程度が軽ければ、レーザー光線で線維柱帯を焼く「レーザー線維柱帯形成術」、少し進んでいれば、メスで線維柱帯を切り開く「線維柱帯切開術」がおこなわれるが、実施数が多いのは「線維柱帯切除術」だ。
この手術は、詰まった線維柱帯を含む強膜の一部と虹彩に穴を開け、房水を目の外に逃がすバイパスを作るもの。房水は結膜の下に流れ、そこで「ろか胞」と呼ぶ水たまりを作る。たまった房水は結膜組織に吸収される。
「人体は傷があれば修復しようとしますが、傷が治って『瘢痕化』すると、ろか胞がつぶれてしまいます。手術では傷を治しにくくする薬を塗布しますが、それでも瘢痕化した場合は、再手術をして癒着をはがすか、別の場所にろか胞を作ります」(同)
瘢痕化しやすい人は手術を繰り返すが、2~3回ほど手術すると、ろか胞を作る場所がなくなってしまう。
そういう難治患者には、2012年に保険適用になったインプラント(人工物)を埋め込む「チューブシャント手術」が有用だ。インプラントは、チューブにプレートがセットされたタイプと、チューブだけのタイプに大別できる。難治患者に用いるのは前者で、「バルベルト」と、プレートに調圧弁がついた「アーメド」の2種類がある。
※週刊朝日 2016年4月8日号より抜粋
0 コメント:
コメントを投稿