フランスのスタートアップ Immersit が、自宅のソファを映画館やテーマパークのような動くイスにパワーアップする4Dモーションシミュレータを開発しました。
空気圧で伸縮するシート状の「足」を既存のソファや椅子の脚と床のあいだに挟むことで、前後左右への傾きや振動、上下動といったモーションを実現します。
映像にあわせて動くことで没入感を演出する座席といえばテーマパークのライドや、最近では映画館の4DX / MX4D 上映など、わざわざお出かけして安からぬ料金を支払って体験するものでした。 Immersit は既存のソファやイスの脚にあわせて四枚の足を敷く単純な構造により、(業務用に比べれば) 安価に家庭向けモーションコントロールシートを実現します。
Immersit いわく、8月に完成するという第三世代試作機の仕様は各足の上下動10cm、耐荷重500kg (四人がけソファまで)。動きは無線対応のコントローラで個別に制御でき、前後左右への傾きや振動も再現します。
DVDやブルーレイ映画については、ソフトごとに場面にあわせたモーションプログラムを提供する予定。モーションデータはモバイルアプリを通じて提供し、モバイル端末と Immersitデバイスのコントローラが無線で通信して動きを伝えます。モーションが提供されないタイトルの場合は、音響にあわせて振動するパッシブモードでも使えます。
ゲームの場合はコントローラの入力と同期させ、左に入力すればイスも左にバンクしたり、前後入力の加減速でシートが前後に傾くといった動作の予定。デモではレーシングゲームが使われています。ゲームの種類と入力のマッピングがうまくマッチすれば「体感ゲーム」が再現できそうです。
Immersit は9月にもKickstarter で、4Dモーションコントロールデバイスの商品化資金を募るクラウドファンディングキャンペーンを実施する予定。肝心の予価についてはまだ最終決定はしていないものの、そこそこのノートPC程度、つまり800から1200ドル(10万〜15万円)を想定しているとのこと。
映画館の4D上映が大好きな人でもやや躊躇しそうな価格ではありますが、フライトシミュレータやレースゲームに凝って本物そっくりの高価なシートを導入したり、振動させたりする趣味人ならばありかもしれません。少なくとも、イスと床ごと施工して業務用を据え付けるよりははるかに手軽です。
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