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804D3からの換装です。
低音が力強くなり、空間、空気感にゆとりが出てより自然な音になりました。
老後の資金が目減りしましたが、日常を十分楽しませてくれます。
搬入はピアノ運送会社で十分な経験をお持ちの二人組で安心してみていられました。
スパイクカップは804 D3のものをそのまま流用できました。
ただ作業効率からかスパイクを最長の状態でセッティングされていたので、自分で最短にし、低くしました。
これにより転倒防止のスタビライザーを床面ぎりぎりまで降ろせたので一安心です。
音はとにかく心地よく、クラッシックはどこまでも滑らかに、ロックはどこまでも力強く、ボーカルは艶やかです。
アンプが48で少し弱いかなと思いましたが、バイアンプなので我が家の環境では十分でした。
804D3の時よりボリュームを上げても狭苦しさ?はありません。
視聴室は評価の基準であり生命線である。その基準が揺らいではならない
HiVi視聴室のリファレンススピーカーが、替わった。これまでのモニターオーディオ・Platinum Series IIからBowers & Wilkinsの800 Series Diamond(以下、800 D4シリーズ)に変更になった。オーディオビジュアル専門誌の視聴室の標準スピーカーが替わることが、どれほどの意味合いを持つのか。
リファレンスルームおよびリファレンスシステムのミッションは、評価の基準を成すことだ。それは、ハードウェア機器の性能を測る基準であり、同時にディスクや配信のコンテンツの画質、音質を評価する基準でもある。
しかも雑誌やウェブ記事取材の場だけでなく様々なメーカー/代理店がその取扱う機材を評論家/媒体に導入する際の、製品披露の場にもなる。だから、その基準は徹底的に厳密でなければならないのである。基準が揺らいでいてはハードもコンテンツも正確なジャッジメントは不可能だ。
では基準を形成するには何が肝要か。まず客観的な評価を可能にする条件を備えたスクリーニングルームでなくてはならない。それが録音スタジオ音響を目指して設計された約5.2×4.7メートルの寸法のHiVi視聴室だ。壁面には吸音板と反射板をバランスよく配置、残響特性は、かなりデッド(吸音指向)にしている。一般家庭のリスニングルームは「楽しむ音響」だからライブ(音が響く)環境が望ましいが、HiVi視聴室は「規範」であり、ハード、コンテンツを問わずその本質を探求する役割から、デッドを選んだ。音響でのリファレンス性に加えて、HiVi誌のコンセプトである「ホームシアターの規範」にも鑑み、視覚的対策も行なわれた。左右と後方の壁と吸音・反射板はベージュ、天井とスクリーン後方壁面は黒と、スクリーンや直視型ディスプレイへの反射の影響を最小限に抑制している。
リファレンス機器の3条件
部屋の次は、リファレンス機器だ。その条件は3つある。
① その時代の機器として、再生する映像、音のクォリティが最上であること。この部屋で再生/チェックする対象機器の性能を正確に測るという意味からも、さらに機器が有する映像、音の表現力のレベルを測るというミッションのためにも、必要な条件だ。たとえば、UHDブルーレイプレーヤーをテストする場合、その映像出力、音声出力のクォリティ、さらには表現力を正確に測るリファレンス機器には基準性がなければならない。それは「原器」と言ってもいい。
② 機器には普遍性がなくてはならない。特定のメディア、コンテンツに対して偏重性を持つ(音でたとえるとクラシックは良いがポップスは不得意とか、映像でいえばビデオ系は良いが映画は不向きなど)ことは、あってはならない。映画音響のD(ダイアローグ)、M(ミュージック)、S(サウンドエフェクト)の3要素で、Dは良いけれど、Sはだめというシステムでは、HiViでの用をなさない。
③ モニター性とエンタテインメント性の高次のバランス。リファレンスルームは検証の場である。そこでは厳密な意味でのモニター性は絶対に必要だが、そもそもHiViのミッションが「本物のエンターテイメントを愉しむ」ことにあるわけで、単に技術的な検証用の映像、音再現のみでは、それは満たせない。コンテンツに含まれるエモーションを引き出して、それをどれぐらい濃密に感じさせるかという、エンターテイメント再現性も必要だ。
新たに加わったB&W800 D4シリーズは多種多様な機器、作品を扱うHiViにふさわしい資質を有する

B&W 800 D4シリーズを新採用
ではリファレンススピーカーについての条件を述べると、①音色再現の正確さ、癖のなさ、特定のコンテンツに偏重しない公平さ、②サラウンド音場再生のための、同系ユニットでサラウンド製品が展開がされていることである。そこで冒頭に述べた最新のトピックである。リファレンス機器のスターとも言うべき、スピーカーシステムが刷新された。これまでのモニターオーディオ・Platinum SeriesⅡからB&Wの800 D4シリーズに変わった。フロントL/Rが802 D4、センターがHTM81 D4、サラウンド/サラウンドバックが805 D4、サブウーファーがDB1Dだ。目をむくような高級機器だが、すでに世界的に録音、マスタリングのプロの現場で、モニター用途として広く使われている定評のある製品群だ。
実はこれは編集部が勝手に独断で変更したのではない。HiViを支える評論家の各氏に諮問し、実際に聴いて、HiViのミッションに最適だと判断されたから選んだのである。各氏がどのようにこのB&Wシステムを聴いたかについては、2024年のHiVi誌面で紹介されているので、ご覧いただきたい。ちなみに私は潮晴男氏と、ジェームス・キャメロン監督作品の『タイタニック』などの旧作UHDブルーレイを聴き、B&Wの作品性を尊ぶ深い再現性に刮目したことは、記憶に新しい(2024年夏号)。
今回、正式に稼働したタイミングで再度、HiVi的な観点から、B&W 800 D4シリーズが持つ意味合いと意義について再度、考察した。HiViは映像なしの2chステレオ音楽作品から、映像付きのサラウンド収録の音楽作品、映画の三次元立体音響作品まで、多種多様なコンテンツを扱う。リファレンススピーカーは、このすべてに対応しなければならない。
正確性に加わる感動と昂奮
まず2ch音源を802 D4で聴く。SACD/CDプレーヤーとプリメインアンプは、HiVi視聴室のリファレンスである、デノンDCD-SX1 LIMITEDとPMA-SX1 LIMITED。
CD「チーク・トウ・チーク/情家みえ」(UAレコード)は、質感が格段に高い。それは音の表面がしなやかで、同時に内部に細かな音の粒子が蝟集し、音の核がリジッドに存在し、レンジ感の天井が高く、しかも、ここが大事なところだが、感情表現が豊潤で、ディテイルまでたいへん細やかだ。この表現については、UAレコードの作り手としても、とても納得するところだ。音場も豊か。空間が広く、深い。そして何より音色に非常に質感の高い艶が乗る。これはまさにB&W 800 D4シリーズのワン・アンド・オンリーの美点だ。HiViでのリファレンス性とは、モニターにスピーカーとして音の素性を厳密に検証することに加え、音楽であれば、どれほどの音楽性があるのか、映画であればどれほどの感情が持てるかこそが肝要なのだ。この「艶」の多少は、コンテンツにどれほどのエモーションがあるかのメルクマールでもある。
ではマルチチャンネル音楽映像はどうか。UHDブルーレイ『Feel like Making Live!/ボブ・ジェームス』のドルビーアトモス。ベッドスピーカーが同一シリーズのスピーカーならではの緊密音場であり、オーバーヘッドスピーカーのイクリプスTD508MK4スピーカーとの繋がりも良く、包まれ感が心地好い。音場に高密度に充満したキーボードの表情の機微が、実に細やかに再生される。アコースティックとエレクトリックというピアノの使い分けによる音楽性の違いも明瞭。そうした正確性に加え、スイングやグルーブも高感度だ。
次に映画。『トップガン マーヴェリック』のチャプター2。D/M/Sを実にリアルに再生するスピーカーだと、判断した。セリフの偉容な剛性感、効果音の飛翔音/移動感、ハンス・ジマーのせき立て畳みかける音楽の緊迫感……など、このチャプターが持つテンションの高さ、緊迫感、挑戦への切迫感……などの意味合いを、臨場感豊かに、しかもハイクォリティに聴かせてくれた。特に「凄み」「慶び」「驚き」……という感情表現が濃く、それが場の雰囲気、空気感を雄弁に物語った。マッハ10を超えたときの感動と昂奮は、スクリーンでの出来事と自分が共振するようだ。
最新のB&W 800 D4シリーズで2ch、マルチチャンネル音楽、アトモスの映画をHiVi視聴室で聴いてきたが、HiViという多種多様な機器、コンテンツを扱うメディアのリファレンスにふさわしい資質を有していると、私は確信したのである。
>【HiVi視聴室の新リファレンスシステム】スピーカーシステム編〜B&W800 D4シリーズを語る
>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』
JUNE 2025 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION
THE CRITERION COLLECTION has announced its JUNE 2025 slate of 4K UHD BLU-RAY(5)and BLU-RAY(2)releases. They are: SORCERER(1977)THE WIZ(1978)BRAZIL(1985)MISHIMA: A LIFE IN FOUR CHAPTERS(1985)THIRTY TWO SHORT FILMS ABOUT GLENN GOULD(1993)MIDNIGHT(1939)and THELONIOUS MONK STRAIGHT, NO CHASER(1988)

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
クライテリオンが贈る6月のタイトルはバラエティ豊かなラインナップ。まず6月5日に登場するのはテリー・ギリアム監督作『未来世紀ブラジル』(1985)である。巨大な管理システムの下で人びとの自由もプライバシーも奪われた近未来の某国。主人公は管理機構の末端の小役人サム・ローリー(ジョナサン・プライス)。無気力な日々を送る彼の自由への夢は、白日夢に登場する美女や神出鬼没のテロリストによって体現される。ある日、情報省のコンピュータ室に迷い込んだハエのせいで、コンピュータの情報ミスが生じてしまう。その結果、善良な靴職人がテロリストと間違えられて逮捕された。この一件を通じて、夢の中の美女と瓜ふたつのジル(キム・グライスト)と出会ったサムは、彼女を追ううちに巨大な悪夢の中に吸い込まれていく・・・。ジョージ・オーウェルのデストピア小説『1984』を思わせる高度な管理社会でサムがたどる悪夢のような運命を、さまざまな幻想シーンを織り交ぜながら描き出したレトロフューチャリズムSFファンタジー。
United Kingdom \ 1985 \ 143 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 2160p/4K
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION OF TERRY GILLIAM'S DIRECTOR'S CUT, supervised and approved by Gilliam, with 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Audio commentary by Gilliam
- What Is "Brazil"?, Rob Hedden's on-set documentary
- The Production Notebook, a collection of interviews and video essays, featuring a trove of Brazil-iana from Gilliam's personal collection
- The Battle of "Brazil," a documentary about the film's contentious release, hosted by Jack Mathews and based on his book of the same name
- "Love Conquers All" version, the studio's ninety-four-minute, happy-ending cut of Brazil, with commentary by Brazil expert David Morgan
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by film critic David Sterritt
Released: JUNE 3, 2025
List Price: $59.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET)$49.95 USD(BLU-RAY 2-DISC SET)

本作品を巡る終わりなきトラブルや「壮大な失敗作」という逆説的な賛辞が、ギリアムの映像作家としての名声を決定づけたことは否めない。だが本作品についてギリアムが「人間が現実から逃げることの不可能さと、自分の個性に必死にしがみついていく情熱の物語」と語っているように、内包するテーマは時代を超越している。 さらに本作品のタイトルが当初『1984 ½』ということを想えば、ギリアムがビジュアルスタイルを構築する上ででロールモデルとみなしている小説『1984』と、巨匠フェデリコ・フェリーニへのあからさまな敬意を読み取ることができよう。ギリアム自身の魅惑的で奥の深い想像力、社会性・政治性を帯びた洗練されたメッセージ、視覚芸術に対する開けっ広げの情熱、細部ディテイルへのこだわり、豪華なセットデザイン、構築的なライティング手法を巧みに組み合わせた本作品は、映画史に残るインパクトを持つ視覚的修辞のひとつとしての存在感を放ち、映画の一級品のみが持ちうる魅力に満ち満ちた傑作として愛され続けているのである。

撮影監督はアカデミー賞候補にもなったロジャー・プラット。ギリアム作品『フィッシャー・キング(クライテリオン4K UHD BLU.あり)』『12モンキーズ』のほかに、リチャード・アッテンボロー、マイク・リー、ニール・ジョーダン、ティム・バートンなど多くの映画監督とのコラボで知られる英国人撮影監督である。ノーマン・ガーウッドのプロダクションデザインが造作されると、プラットとギリアムは超広角レンズとダッチアングル(傾斜したカメラアングル)の多用を決断した。プラットはシーンに応じてツァイスの14mmと11mm、キノプティック9.8mmレンズで撮影。なかでも9.8mmレンズは当時最新の技術革新で、魚眼効果のない短焦点レンズとしては初めてのものであり、主流のハリウッド作品に慣れている観客にとっては異例の広角ショットとなった。広角レンズとダッチアングルは、登場人物が置かれている不安定な状況を示し、恐怖や焦燥、緊張感や切迫感を伝えており、深い被写界深度の描画と共に4K鑑賞の醍醐味を楽しむことができるはずだ。最後に、プラットは昨年12月31日に逝去。享年77歳であった。
タイトル | 未来世紀ブラジル |
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年 | 1985 |
監督 | テリー・ギリアム |
製作 | アーノン・ミルチャン |
製作総指揮 | テリー・ギリアム トム・ストッパード チャールズ・マッケオン |
脚本 | ブルース・A・エヴァンス レイノルド・ギデオン |
撮影 | ロジャー・プラット |
音楽 | マイケル・ケイメン |
出演 | ジョナサン・プライス キム・グライスト ロバート・デ・ニーロ イアン・ホルム キャサリン・ヘルモンド ボブ・ホスキンス マイケル・パリン イアン・リチャードソン ピーター・ヴォーン ジム・ブロードベント デリック・オコナー |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

三島由紀夫の生涯と彼の作品に材を得て、フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス製作総指揮、ポール・シュレイダー監督で描く伝記ドラマ『MISHIMA』(1985)。「4つの章で綴る人生」というサブタイトル通り、「美(beauty)」「芸術(art)」「行動(action)」「文武両道(harmony of pen and sword)」のチャプターで構成。三島事件当日(1969年11月25日)のエピソード、出生から楯の会結成までの回想、自作『金閣寺』『鏡子の家』『奔馬』のドラマ化パートをコラージュ感覚で混成させながら、三島の心の葛藤と矛盾を掘り下げていく。脚本はポール・シュレイダーと、兄レナードとその妻チエコ・シュレイダーによる共同脚本。撮影・ポストプロダクションは1984年に行われ、翌1985年、第38回カンヌ国際映画祭パルム・ドール候補となった本作品は、芸術貢献賞(シュレイダー)を受賞している。カンヌで反響を呼んだ本作品は『MISHIMA - 11月25日 快晴』の邦題で国内公開される予定であったが、同性愛を匂わせる三島の描写などに対して三島の妻・平岡瑤子がボイコット、一部の右翼団体の抗議といった諸問題により劇場公開は見送られた。以降、日本では上映はおろか、パッケージソフト・リリースも行われていない。現時点ではクライテリオン4K UHD『MISHIMA』が最良の鑑賞手段となる。
United States, Japan \ 1985 \ 121 minutes \ Black and White / Color \ 1.85:1 \ Japanese ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION OF THE DIRECTOR'S CUT, supervised and approved by director Paul Schrader and cinematographer John Bailey, with 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- Two alternate English narrations, including one by actor Roy Scheider
- Audio commentary featuring Schrader and producer Alan Poul
- Program on the making of the film featuring Bailey, producers Tom Luddy and Mata Yamamoto, composer Philip Glass, and production designer Eiko Ishioka
- Program on Yukio Mishima featuring his biographer John Nathan and friend Donald Richie
- Audio interview with coscreenwriter Chieko Schrader
- Interview excerpt from 1966 featuring Mishima talking about writing
- The Strange Case of Yukio Mishima, a 1985 documentary about the author
- Trailer
- PLUS: An essay by critic Kevin Jackson, a piece on the film's censorship in Japan, and photographs of Ishioka's sets
Released: JUNE 3, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY)

私は『タクシードライバー』という自殺願望の病理を描いた映画を書いたことがある。このテーマが好きなので、また書こうと思った。ある日、日本で教師をしていた兄が三島のことを話してくれた。私は「これだ」と思った。成功した男、文学者、教養のある男、家族思いの男、同性愛者の男、裕福な男、報酬を得た男が、まったく異なる文脈の中でトラヴィス・ビックルと同じ病理にとらわれている。人生が彼の芸術に大きく影響し、解決は死によってのみ達成されるものだった。リサーチに携わるようになってから、脚本を書く上で小説を抜粋する必要があることに気づいた。なぜなら、作家の人生は、実際には作家自身の想像力の中に存在しており、そうした作品を語らずに作家の人生を語れるはずがないからだ。ポール・シュレイダー

撮影監督は『普通の人々』『キャット・ピープル』のジョン・ベイリー。複雑な構成の脚本を読んだベイリーは、ドラマのパートごとに変化を持たせたカラースキームを徹底。三島事件のシークエンスはナチュラルな配色、回想はモノクロ、『金閣寺』黄金色と緑が主色、『鏡子の家』はビビットなピンクと灰味の濁色、『奔馬』は橙系のウォームカラーと黒を主軸としたカラースキームは、卓越した石岡瑛子のプロダクションデザインと相まって強烈な印象を残す。音楽は『コヤニスカッティ』『めぐりあう時間たち』のフィリップ・グラス。現在を表現する弦楽オーケストラとパーカッション、過去を想起させる弦楽四重奏、架空のシーンのための弦楽器、電子ハープ、エレキギター、合成音を組み合わせた付随音楽など、それはまるで血管を流れる血液が奏でる交響曲のようであり、周期的で反復的で、ざわめくような有機的なリズムを奏でてみせる。
シュレイダーとベイリーの監修と承認を受けた2018年4Kレストア・マスター使用(121分ディレクターズカット)。これは米バーバンクのラウンドアバウト・エンターテインメント保管の35mmオリジナルカメラネガを4K解像度でスキャニング、アメリカン・ゾエトロープでの修復とクライテリオンによる追加の修復が行われたマスターである。4K UHD制作に当たって更なる修復と、HDRグレーディングが行われている。同じく2018年に35mm磁気プリントマスターからリマスターされた、オリジナル2.0サラウンドサウンドトラックも新たな整音を施されている。
※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
タイトル | MISHIMA:A LIFE IN FOUR CHAPTERS |
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年 | 1985 |
監督 | ポール・シュレイダー |
製作 | トム・ラディ 山本又一朗 |
製作総指揮 | ジョージ・ルーカス フランシス・コッポラ |
脚本 | チエコ・シュレイダー ポール・シュレイダー レナード・シュレイダー |
撮影 | ジョン・ベイリー |
プロダクションデザイン | 石岡瑛子 |
音楽 | フィリップ・グラス |
出演 | 緒形拳 沢田研二 坂東八十助 永島敏行 利重剛 大谷直子 佐藤浩市 萬田久子 左幸子 烏丸せつこ 池部良 誠直也 塩野谷正幸 三上博史 徳井優 |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
カンザスの代わりにブルックリンが登場し、L・フランク・ボームが生み出したキャラクターをダイアナ・ロスとマイケル・ジャクソンが演じ、アメリカ音楽界の巨人クインシー・ジョーンズが音楽を手掛ける黒人版『オズの魔法使』、『ウィズ』(1978)の登場である。オリジナルは1974年の大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカル。『オズの魔法使』の新バージョンをアフリカ系アメリカ人の観客向けに作る、という斬新なアイデア。ファンキーな歌と都会のムードを融合させつつ、不朽のオズの世界観と、多くのスラム街の住人が抱く豊かな生活への憧れとを対置させたストーリー。やっかいな人種問題に立ち入ることを避け、純粋な美的観点からその存在を正当化させたミュージカルであった。脚色は『カー・ウォッシュ』の脚本で認められ、のちにヒットメイカー監督となるジョエル・シューマカー。舞台の台詞のほとんどを使用しなかったシューマカーの脚本は賛否を呼んだが、本作品には生命力あふれたエネルギーがあり、センセーショナルな特殊効果や衣装、そしてロスやジャクソンをはじめとする魅力のキャストがいる! 製作・配給はモータウン・プロダクションズとユニバーサル・ピクチャーズ。監督は驚く勿れ、社会派の名匠シドニー・ルメットである。残念ながら本作品は興行的には失敗し、批評家からも無視され続けてきた。だが近年、ビッグアップルにとって歴史的にも幻想的にも重要な作品として評価が高まっている。
United States \ 1978 \ 134 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, approved by producer Rob Cohen
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- REMIXED DOLBY ATMOS AUDIO TRACK
- New audio commentary featuring scholars Michael B. Gillespie and Alfred L. Martin
- Archival interviews with director Sidney Lumet and actor Diana Ross
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
Released: JUNE 10, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY)

第51回アカデミー撮影、音楽(編曲・歌曲)美術監督/装置、衣装デザイン賞ノミネート作品。撮影は『ナバロンの要塞』『屋根の上のバイオリン弾き』のオズワルド・モリス。パパナビジョン・パナフレックス/パナビジョン球面レンズ撮影作品。オリジナル・フレームは1.37:1スタンダード。上映はソフトマット/1.85:1ビスタサイズ。音響エンジニアはジャック・フィッツステッフェンス(音響編集)ディック・ヴォウリセク(リレコーディングミキサー)ほかルメット組が顔を揃えている。
これまで誰も見たことのない、まったくユニークな映画体験となるだろう。これは現代(70年代)のファンタジーだ。1939年の『オズの魔法使』から得られるインスピレーションは何もない。彼らは素晴らしい映画を作ったが、その内容を一切使わないようにしただけだ。私たちのコンセプトは、つまり彼らはカンザス、私たちはニューヨーク、彼らは白人、私たちは黒人、音楽と脚本も全く異なっているため、どの部分でも重複しないようにしたかった。シドニー・ルメット

※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
本作品は2010年に35mmインターポジからのHDリマスターBLU-RAYが登場しているが、それ以来、冬眠状態となっていた。今回はユニバーサルの協力によって35mmオリジナルネガからの4Kスキャン/レストア・マスターを得られており、テクニカラー・ニューヨークのHDR/SDRグレードを含めて別次元の映像を楽しめるはず。またNBCユニバーサル・スタジオポストのサウンド部門によってリミックスされたドルビーアトモス・サウンドトラックも収録。画、音のいずれも乞うご期待!
※ When viewing this clip, please set resolution to 2160p/4K
タイトル | ウィズ |
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年 | 1978 |
監督 | シドニー・ルメット |
製作 | ロブ・コーエン |
製作総指揮 | ケネス・ハーパー ベリー・ゴーディ |
脚本 | ジョエル・シューマカー 《原作》L・フランク・ボーム 《原作戯曲》ウィリアム・F・ブラウン |
撮影 | オズワルド・モリス |
特殊効果 | アルバート・ホイットロック |
特殊メイク | スタン・ウィンストン |
音楽 | チャーリー・スモールズ クインシー・ジョーンズ |
出演 | ダイアナ・ロス マイケル・ジャクソン ニプシー・ラッセル テッド・ロス リチャード・プライアー レナ・ホーン テレサ・メリット メイベル・キング セルマ・カーペンター スタンリー・グリーン |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
2025年3月4日、ジョルジュ・アルノーの傑作小説を映画化した、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの1953年監督作『恐怖の報酬』(原題:LE SALAIRE DE LA PEUR/米題:THE WAGES OF FEAR)の高品位な4K UHD BLU-RAYがクライテリオンから登場した。カンヌ国際映画祭グランプリ(現パルム・ドール)ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた同作は、なんど観ても心臓にたっぷりと汗をかかせてくれる傑作サスペンスであり、世界の映像作家に大きな影響を与え、映画史上もっとも神経をすり減らす名作のひとつとして映画ファンに記憶されている。そして24年後の1977年、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』で世界的な成功を収めた監督ウィリアム・フリードキンが、自身のキャリアの中でもっともリスクの高い映画、クルーゾーの名作の映画化『恐怖の報酬』(1977/原題:SORCERER)に取り組んだ。クライテリオンはこの2作品を4K UHDで初めてリリースする唯一のレーベルであり、2作品揃えて鑑賞することをお薦めしたい。フリードキンはクランクイン前に「クルーゾーの映画よりも粗野で、『フレンチ・コネクション』のようなドキュメンタリー感覚の映画にしたい」と語っており、その演出スタイルは随所でアルノーの文体(米国文学のハードボイルド小説にみる粗削りな簡素直截な文体)を思わせて興味深い。
United States \ 1977 \ 121 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English, Spanish, French, Arabic, German ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
とはいえ今も昔も、リメイクが心を開いて歓迎されることは滅多にない。フリードキンに『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』という連続ヒットがあったとはいえ、公開当時の評論家や観客から冷遇された理由を探して観るなら、本作品は十分な理由を与えてくれる。いったいどういう意味だ? というタイトル『SORCERER』からラストシーンに至るまで、意図的に、観る者を挑発するが如き晦渋な映画という印象が強い。ドキュメンタリー的な映像リアリズム。此見よがしなサウンドとの迎合を拒むスタイル。説明は殆どなく、観客は見知らぬ土地や状況に放り込まれる。暗く、暴力的で、ネームバリューがあるのは巧者だが必ずしも儲けを呼ぶわけではないアメリカ人俳優(ロイ・シャイダー)がたったひとり。『スター・ウォーズ』と同じ夏に公開された本作品が、ヒット作となるはずはなかったのだ。だが一部の観客は、催眠術を思わせる前半のムードに浸りながらゆっくりと映画に引き込まれ、引き金を絞って放たれる凶弾のような後半のアクションに酔い痴れていた。あれから48年、公開時は批評的にも商業的にも失敗の烙印を押されたが、その後パッケージソフト化されると次第に再評価されていくことに。2013年ヴェネチア国際映画祭では新たな4Kトランスファーが披露され、映画館やBLU-RAYでの鑑賞を通じて、映画の持つ生々しいパワーに驚嘆した新世代のファンを獲得。現在では「見過ごされた逸品」と高い評価を受けるまでになったのだ。そして、いよいよ4K UHDの登場である。2013年にワーナーMPI(モーションピクチャーイメージング)が4Kスキャン/レストアを施し、フリードキンの監修・承認を得た4K DIマスターを採用。4K化に伴うさらなる修復、新たなHDRグレーディン(HDR10、およびドルビービジョンHDR)が行われている。サウンドは新たにリマスターされた5.1ch、および2.0chサラウンドサウンドトラックを収録する。
When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack approved by director William Friedkin
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Alternate 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- Friedkin Uncut (2018), a documentary by Francesco Zippel featuring interviews with Friedkin; screenwriter Walon Green; filmmakers Wes Anderson, Francis Ford Coppola, and Quentin Tarantino; and others
- New conversation between filmmaker James Gray and film critic Sean Fennessey
- Archival audio interviews with Green and editor Bud Smith, from the collection of Giulia D'Agnolo Vallan, author of William Friedkin (2003)
- Conversation from 2015 between Friedkin and filmmaker Nicolas Winding Refn
- Behind-the-scenes footage of Friedkin on set
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by film critic Justin Chang
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 2-DISC SET)

ビリー(フリードキン)の『恐怖の報酬』へのアプローチは、リアプロジェクションやトリック撮影を排除するものだった。俳優、車両、地形が、各ショットの構成に非常に密接に統合されていた。そのため、映し出される映像は、実際に起こったこととまったく同じだ。常に危険にさらされた撮影だったが、無謀なリスクを取るように私を説得できた人は、これまでビリー以外に誰もいなかった。だが、撮影が終わり、あの粗い映像を見たとき、その価値があったと理解できた。ロイ・シャイダー

私はスティーブ(マックイーン)にこの映画について話し、脚本を送った。2日後、彼から電話があり、「これは今まで読んだ中で最高の脚本だ」と言われた。そしてスティーブに「アリ(マッグロー)と結婚したばかりで、6か月間もひとりでジャングルに行きたくない。彼女の役を書いてくれないか」と頼まれた。私は「スティーブ、君は今まで読んだ中で最高の脚本だと言ったばかりだ。女性は一切出てこない。フランス人女性の役はほんの少しあるけど、アリの役じゃない」と答えた。すると彼は「よし、彼女を製作総指揮者か共同プロデューサーにしてくれ」と言う。当時の私は本当に傲慢なガキだった。今、もしスティーブ・マックイーンが私にそう頼んだら、私はすぐに同意しただろう。でも私は「スティーブ、それはでたらめなクレジットだ。私はそんなことはしない」と跳ね除けた。すると彼は「わかった、じゃあアメリカで撮影できる場所を探してくれ」と言う。私は答えた。「スティーブ、今の場所で満足している」とだけね。私はただ傲慢な間抜けだった。彼は「その条件では出演できない」と言い、交渉は決裂した。その時には、マルチェロ・マストロヤンニとリノ・ヴァンチュラの出演が内定していたんだが、スティーブが去り、代わりにロイ・シャイダーを起用することになると、マストロヤンニもヴァンチュラも出演を断ってきた。シャイダーは素晴らしい俳優だが、スティーブのような大スタアではない。当時は映画スタアが必要だった。ウィリアム・フリードキン
※ When viewing this clip, please set resolution to 720p/HD
タイトル | 恐怖の報酬 |
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年 | 1977 |
監督 | ウィリアム・フリードキン |
製作 | ウィリアム・フリードキン |
脚本 | ウォロン・グリーン ウィリアム・フリードキン 《原作》ジョルジュ・アルノー |
撮影 | ジョン・M・スティーヴンス ディック・ブッシュ |
音楽 | タンジェリン・ドリーム |
出演 | ロイ・シャイダー ブルーノ・クレメル フランシスコ・ラバル アミドウ ラモン・ビエリ ピーター・カペル カール・ジョン フレデリック・フォン・レデブール ジョー・スピネル ジェラード・マーフィ チコ・マルティネス ジャン=リュック・ビドー フランク・ジオ |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
50歳で他界したカナダを代表する世界的音楽家グレン・グールド、その生涯に迫る伝記アンソロジー『グレン・グールドをめぐる32章』(1993)。監督は『レッド・バイオリン』『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』のフランソワ・ジラールで、本作品が長編監督第2作となり、映画監督としての地位を確立させている。タイトルの32章とは「1+30+1」を意味しており、グールドの代名詞「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」の「主題のアリア+アリアの32音の低音主題に基づく30の変奏+ダ・カーポのアリア」を指す。コルム・フィオールが演じるグレン・グールドは、カナダのシムコー湖近くの別荘での思い出を振り返る。それは幼少期のこと。5歳の彼はコンサートピアニストになることを、すでに決心していた。実際、本を読むより先に楽譜を読むことができ、母親からバッハの楽曲を学んでいた。グールドは自分自身にインタビューしているところを想像した。その中で彼は、32歳でコンサートをやめ、代わりにメディアを通じて聴衆とコミュニケーションを取ることを選んだ理由について、自分自身と向き合うことになる。グールドは自分に言い聞かせる。音楽家は、たとえそれがどんなに善良な人間であっても、避けられない独裁者であると・・・。本作品は45 秒から数分にわたる控えめで魅力的な32章の短編映像(ほぼ年代順に並べられた生涯のエピソード)で構成されており、音楽家グールドの繊細で型破りな肖像を描き出していく。グールドを知らない人にとっては取っつき難い映画かもしれないが、グールドの数秘術、音楽の完璧さ、神秘主義への執着を讃える点でピーター・グリーナウェイの映画を彷彿とさせて興味深い。
Canada \ 1993 \ 93 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, supervised and approved by director François Girard, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- New audio commentary featuring Girard and cowriter and actor Don McKellar
- New conversation between Girard and filmmaker Atom Egoyan
- Glenn Gould: Off the Record and Glenn Gould: On the Record, companion programs from 1959 produced for Canadian television
- Archival interviews with actor Colm Feore and producer Niv Fichman
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by author and film criti
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY)

グールドはとても複雑な人物だった。脚本を書く上で最大の難点は、グールドの音楽を聴いて、彼のビジョンを理解して捉えることだった。脚本は断片から構成されており、それぞれがグールドの側面を捉えようとしている。グールドをひとつの枠に当てはめることはできない。観客が受けるグールドの印象は32ある。彼をひとつの次元に収めたくなかった。脚本ドン・マッケラー

タイトル | グレン・グールドをめぐる32章 |
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年 | 1993 |
監督 | フランソワ・ジラール |
製作 | ニヴ・フィッチマン マイケル・オールダー バーバラ・ウィリス・スウィート ラリー・ワインスタイン |
脚本 | フランソワ・ジラール ドン・マッケラー |
撮影 | アラン・ドスティエ |
音楽 | グレン・グールド |
出演 | コルム・フィオール ジョシュア・グリーンブラット カチャ・ラダン シーン・ライアン ドン・マッケラー シャロン・ベルンバウム デヴォン・アンダーソン ケイト・ヘニッグ |
BLU-RAY RELEASE
BLU-RAY SPECIAL EDITION
1920年代から続く最盛期のハリウッド映画は、1930年代に入って技術的にも内容的にも急速に進化することになる。一方で映画ファンの目もしっかり肥えてきて、ソフィスティケイテッド・コメディ、ギャング映画、女性映画、ミュージカルといったジャンルも確立された。この時期の監督の中には、日本での知名度が低い監督も少なくない。『明日なき抱擁』『絢爛たる殺人』で知られ、パラマウントの中堅監督であったミッチェル・ライゼンもそのひとりであろう。スタジオの美術部門と衣装部門から転身したライゼンは、ハリウッドの華やかなメロドラマやスクリューボール・コメディで持ち味を発揮した監督であり、エルンスト・ルビッチやプレストン・スタージェスと並ぶ存在と称する向きも多い。監督に転身前のビリー・ワイルダーとプロデューサーに転身前のチャールズ・ブラケットが共同で脚本を書いた『ミッドナイト』(1939)も、ライゼンの代表作となるスクリューボール・コメディの傑作である。
ヒロインは、パリの都にやって来た職ナシ金ナシ運もナシのアメリカ人ショーガール(クローデット・コルベール)。ひょんなことから男爵夫人になりすましたヒロインと、若いツバメ(フランシス・レデラー)から妻(メアリー・アスター)を取り戻そうとする裕福な紳士(ジョン・バリモア)、そしてヒロインに一目惚れしたタクシー運転手(ドン・アメチー)が加わって珍騒動を繰り広げることに。30年代パラマウントのお馴染みのスタジオスタイルを披露しつつ、辛辣な社会観察(階級差別、不貞)おとぎ話のような現実逃避(偽りの身元)といった当時のコメディとしては大胆な要素を注入した本作品だが、そこは当時絶好調だったワイルダーとブラケットの脚本、台詞のひとつひとつからも洗練とウィットとエレガントが香り立つ。
United States \ 1939 \ 94 minutes \ Black & White \ 1.37:1 \ English
BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- New audio commentary featuring author and film critic Michael Koresky
- New program featuring audio excerpts of a 1969 interview with director Mitchell Leisen
- Lux Radio Theatre adaptation of the film from 1940
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by film critic David Cairns
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $39.95 USD(BLU-RAY)

スクリューボール・コメディと言えば前述のプレストン・スタージェスの代名詞だが、1939年はスタージェスにとっても、本作品の脚本を書いたワイルダーにとってもターニングポイントとなる年であった。30年代後半、スタージェスはスタジオシステムの厳格な管理下で一連の脚本に取り組んだが、そのいくつかはお蔵入りとなり、クレジットされることもあれば、されないこともあった。監督が自分の脚本の台詞を扱う方法に不満を抱いたスタージェスは、自分の脚本は自分でコントロールしようと決心する。1939年、スタージェスは『偉大なるマッギンティ』の脚本をパラマウントに譲渡し、代わりに監督するチャンスを得ることで掲げた目標を達成している。『偉大なるマッギンティ』は作品評価も、興行面でも成功を収め、スタージェスの成功はすぐにワイルダーやジョン・ヒューストンなどへ脚本家兼監督契約への道を開くことになった。記録によると、ワイルダーはライゼンによる脚本の変更に不満を抱いていたとされ、それがワイルダーに監督を兼ねてクリエイティブなコントロールを得ようという動機を与えたという。そして1941年、ワイルダーはスタージェスが切り開いた道を歩み、脚本と監督を兼ねた『少佐と少女』(アメリカでの初監督作)を演出することになる。

タイトル | ミッドナイト |
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年 | 1939 |
監督 | ミッチェル・ライゼン |
製作 | アーサー・ホーンブロウ・Jr |
製作総指揮 | ウィリアム・ルバロン |
脚本 | ブルース・A・エヴァンス レイノルド・ギデオン 《原案》エドウィン・ジャスタス・メイヤー フランツ・シュルツ |
撮影 | チャールズ・ラング |
音楽 | フレデリック・ホランダー |
出演 | クローデット・コルベール ドン・アメチー ジョン・バリモア フランシス・レデラー メアリー・アスター ヘッダ・ホッパー モンティ・ウーリー |
BLU-RAY RELEASE
BLU-RAY SPECIAL EDITION
孤高の天才ジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンクの生涯を描くドキュメンタリー『セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー』(1988)。モンクとそのグループのライブ演奏、死後の友人や家族のインタビューを収録した本作品は、1988年の作品であるが、モンクが映る映像はそれより20年以上前のフィルムが使われている。 1967年から1968年にかけて、クリスチャン・ブラックウッドとマイケル・ブラックウッドは、ドイツのテレビ向けにニューヨーク、アトランタ、ヨーロッパを旅するモンクを6か月間密着取材した。その際に撮影された映像は、モンクと彼のバンドのライブ演奏、貴重なモンクのオフステージの映像が含まれ、1時間ドキュメンタリー『MONK』(1968)の本編映像以外に13時間を超えるアウトテイクが生まれた。これらの映像は放送局に管理保管されていたが、1980年代初頭にクリスチャンが映画プロデューサーのブルース・リッカーに接触、ダイレクトシネマのパイオニアであるシャーロット・ズウェリンを招いてリニューアル・プロジェクトが動き出す。当初はモンクの出演も検討されたが、体調悪化に伴う脳卒中で1982年2月に他界。その後も権利問題などのトラブルに見舞われ、資金繰りも思うようにいかず、一時はプロジェクト中止寸前まで追い込まれている。リッカーは最後の望みを賭け、1987年、『バード』をクランクアップしたばかりのクリント・イーストウッドに接触、資金提供を打診した。イーストウッドは、彼の製作会社マルパソ・プロダクションが製作することに同意し、映画を完成させるために必要な予算を与えている。ようやくプロジェクトは動き出し、20年間保管されていた『MONK』の映像とアウトテイク、さらに新たに撮影されたインタビュー映像を加えて構成した本作品が完成。イーストウッドは製作総指揮としてクレジット、ワーナー配給で1988年10月に劇場公開されている。
United States \ 1988 \ 89 minutes \ Color/Black and White \ 1.33:1 \ English
BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- Introduction by director Charlotte Zwerin
- New interview with musician T. S. Monk, son of Thelonious Monk
- New program about Zwerin and the making of the film featuring interviews with writer Michael Schulman, assistant editor Bernadine Colish, and Zwerin's nieces Lisa and Laura Tesone
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by music
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $39.95 USD(BLU-RAY)

2020年、ワーナーMPIが35mmオリジナルカメラネガ(本編とアーカイヴ映像は16mmからブローアップされたもの)を4Kデジタルレストア。サウンドもリマスターされている。新たなレストア・マスターはターナー・クラシック・ムービーズ(TCM/ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・ネットワークスが運営する映画専門チャンネル)で配信され、各方面から再評価されている。

タイトル | セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー |
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年 | 1988 |
監督 | シャーロット・ズウェリン |
製作 | ブルース・リッカー シャーロット・ズウェリン |
製作総指揮 | クリント・イーストウッド |
撮影 | クリスチャン・ブラックウッド |
音楽 | ディック・ハイマン |
出演 | セロニアス・モンク フィル・ウッズ チャーリー・ラウズ ラリー・ゲイルズ ベン・ライリー ジョニー・グリフィン |
バックナンバー:世界映画Hakken伝 from HiVi
バックナンバー:2025年5月のクライテリオン
家庭用プロジェクターの市場をリードするエプソンが満を持して送り出してきたdreamio(ドリーミオ)シリーズの事実上の最高峰モデルEH-LS12000。投写レンズを本体中央に配置したシンメトリーなデザインは実にスマートで、本体サイズも2700ルーメンの高輝度4Kレーザーとは思えないほど、コンパクトだ。
外観は昨年登場した弟モデルEH-LS11000と本体色は異なるものの、瓜二つであり基本設計も同等と思われる。ただプロジェクターの表現力に大きな影響を及ぼすに光出力についてはEH-LS12000の方が10%弱高い。
EH-LS1100よりも高出力のレーザー光源を組み込みながら、本体サイズは変わらない。こうなると冷却用ファンによる騒音レベルが気になるところだが、仕様表を見ると、22dB(最小時)と30dB(最大時)とまったく一緒だ。EH-LS12000の実際の動作音を確認してみたが、これが思いのほか静か。感覚としては20dB前後の騒音レベルで、風切りノイズが耳障りにならない。

4K Laser Projector
EPSON
EH-LS12000
オープン価格
●型式:4Kレーザープロジェクター
●方式:3LCD
●光源:レーザーダイオード
●投写パネル:0.74型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル(16:9)
●パネル解像度:水平1,920×垂直1,080画素×3
●表示解像度:水平3,840×垂直2,160画素
●光出力:2,700ルーメン(最大)
●コントラスト比:2,500,000:1(ダイナミック値)
●投写レンズ:2.1倍電動ズーム・フォーカスレンズ F:2.0〜3.0、f=22.5〜46.7mm
●接続端子:HDMI×2(1系統eARC/ARC対応)、トリガー、RS-232Cほか
●騒音レベル:22dB(最小)
●消費電力:311W(レーザーライト100%時)、0.4W(スタンバイ時)
●寸法/質量:W520×H169×D447mm/約12.7kg
キャンペーンのお知らせ
ただいま、4Kレーザープロジェクター”EH-LS12000”を購入された方を対象に「ホームプロジェクター買取増額キャンペーン」を実施中。EH-LS12000がお得に導入できるチャンスとなっている。詳細は以下のリンクから。

明るくしかも静粛性にも優れたレーザー光源を採用。4K表示を実現する「2軸シフトテクノロジー」にも注目
エプソンの技術者によると「人間の聴覚特性を配慮した冷却設計の賜物」ということだが、家庭で使うプロジェクターとしてはこの静寂性は魅力的。またスタンバイ時から電源オン時での出画までの時間、および電源オフ時での冷却ファンが停止するまでの時間が比較的短いのも見逃せない特徴だ。地味なことかもしれないが、実際使ってみると、この“時短”性能は使い勝手に直結する事柄であり、とてもありがたい。
実はこの静かさは、レーザー光源回りの独自設計によるところも大きい。ブルー(B)レーザー光源は2系統から構成され、そのうち1系統はフォスファー(蛍光体)にあたりレッド(R)とグリーン(G)の色成分を励起してイエロー(Y)に合成、そこにもう1系統のブルーレーザーを加えてW(白)を作る。そこからダイクロイックミラーでR/G/Bに分光して、3枚の透過型液晶(LCD)パネルへと送り、映像信号に変調。さらにプリズムという光学部品でR/G/Bを合成したうえで、フルカラー表示を実現する。
この方式は、レーザー光源を使った家庭用3チップ式プロジェクターでは比較的ポピュラーな仕組みではあるが、三原色を得るためのフォスファーに一般的な有機材ではなく、無機材を採用しているのがポイント。経年劣化に強く、有機素材のように回転する必要がない。当然、その駆動ノイズが発生せず、静音性に有利に働くというわけだ。

本体内部でのレーザー光源の仕組み。レーザー光源を用いて、RGBをそれぞれLCDパネルで変調し、プリズムと呼ばれるレンズにつながる部品で混色して投写する流れだ

本体内部をレンズ後方から撮影した。茶色のフラットケーブルの先に0.74インチサイズのLCD(透過型液晶)パネルが組み込まれている
そして設置時の自由度の高さはdreamioシリーズならでは。投写レンズは光学2.1倍ズームとし、上下96%、左右47%のシフト機能を備え(※)、ピント合わせも含めて、すべて電動制御となる。天吊り設置した場合でも、スクリーン前で手軽に精緻な調整が可能。最大10パターンまで登録できるレンズポジションメモリー機構も搭載済だ。
※上下左右ともに最大値にレンズシフトすることはできません
表示システムは、フルHD仕様の透過型高温ポリシリコンTFT液晶パネル(0.74型)を3枚用いた3LCD方式で、そこに4K表示を可能にする「2軸シフトテクノロジー」を組み込んでいる。
これは1ピクセルを上下左右4方向にずらして出力し、スクリーン上で4K解像度の映像情報量をフルHDパネルで描き出すというもの。60p入力時で240分の1秒毎に画素を書き込むという高速処理が求められる。これは従来の「4Kエンハンスメントテクノロジー」の2倍に達するが、独自開発のボイスコイルモーターと駆動技術の合わせ技で、安定した4K表示を実現しているという。

「2軸シフトテクノロジー」を用いて、上下左右に映像を高速でずらし、スクリーン上で4K解像度を獲得する
ダイナミックレンジ、特にピーク輝度が一様でない4K&HDR収録の映像作品に対して、エプソンでは従来から作品ごとに的確なダイナミックレンジが設定できるHDR映像の調整機能を装備している。
プロジェクターで問題になりやすい明るさの不足、不自然な黒つぶれ、白飛びが回避できる調整機能として重用されて、4K&HDRコンテンツ再生時の安定性を高めている。
本機能は「ダイナミックレンジ」は、100nit(最低値)から10,000nit(最高値)まで16段階の設定が可能。デフォルトは中点となる『8』の設定。HDR10では500nit近辺をターゲットにしているようだ。今回から新たに対応した「HDR10+」映像の再生時は、「ダイナミックレンジ」設定は強制的に250nitの設定となるようだ。

高精度なレンズ設計は、プロジェクターの肝となる部分だ。EH-LS12000では7群16枚構成レンズを、エプソンの光学技術により、明るくしかも色収差の少ない映像を実現した


レンズシフト機能によりスクリーン位置と本体位置のギャップを光学的に吸収する仕組みがエプソン製プロジェクターの魅力のひとつ。本機でも非常に画面移動範囲が広く、設置性に非常に優れている。なお電気的に画面を移動する機能では、光学的なレンズシフト機能に比較して画質的なダメージが大きいので、あまりおすすめできない
空間に引き込まれてしまいそうな感覚こそ、4K&HDR大画面映像の醍醐味だ!
では早速、EH-LS12000のパフォーマンスを検証していくことにしよう。東洋一の白い砂浜と称される与那覇前浜ビーチや、自然のアーチで有名な砂山ビーチなど、沖縄県・宮古島の観光の名所を4K/60p&HDRで収めたビコムのUHDブルーレイ『宮古島 ~癒しのビーチ~』を見ていこう。再生機はパナソニックDMR-ZR1、スクリーンはキクチDressty 4K/G2の120インチ16:9でゲインは1.25。
「映像モード」は各種補正がオフになるモニター的な『ナチュラル』モードを選び、「ダイナミックレンジ」設定は500nit近辺をターゲットにしたデフォルト設定値『8』としている。
岬の突端に白い灯台がそびえる東平安名﨑を収めたチャプター4を再生。真っ先にエメラルドグリーンの海が目に飛び込んでくるが、その雄大なこと。海の色は深さと光のあたり具合で、複雑な色合い、グラデーションが伴い、押し寄せる白波は細かな泡の粒の様子まで手にとるように分かる。
岬の突端にそびえる灯台は、抜けるような青空をバックにその白さが際立ち、しかも壁表面の凹凸が鮮明に描き出される。そのまま大海原がワイドで映し出されるが、白く細かな波が岩場に押し寄せ、消えていく様子を見ていると、その空間に引き込まれてしまいそうな感覚となるほど。まさに4K&HDR大画面鑑賞の醍醐味といっていいだろう。

4K/60p入力対応のHDMI端子を2系統装備。HDMI2端子は、HDMIの機器連動規格(CEC)対応しているので、同機能に対応したAV機器との連携して、プロジェクターのリモコンで接続機器の操作も可能だ
動画で確認するEH-LS12000の設定メニュー
Epson EH-LS12000メニュー画面
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UHDブルーレイのHDR映画再生では明快な質感描写と微妙なフェイストーン表現が魅力だ
続いてUHDブルーレイの映画『ジョーカー』を再生。HDR10での再生となるが、「映像モード」は映画鑑賞用『シネマ』を選択し、「ダイナミックレンジ」調整『8』を含め、すべてデフォルト状態で再生している。
冒頭、薄暗い楽屋の鏡の前、ピエロに扮するため、化粧中のアーサーが映し出されるが、床から足元、椅子のシルエットと、ローライト(暗部)の情報が粘り強く描き出され、窓の外に拡がる明るい景色も確認できる。
場面は大勢の人とクルマが行き交うゴッサムシティに移り変わる。黄色い広告看板を持って踊るアーサーの白塗りの肌と赤鼻、グリーンの髪の毛、黄色いベストと、実にカラフルだ。悪ガキに襲われて、殴る蹴るの暴力を受け、路地裏に倒れ込むアーサー。この時、手前からローアングルでその悲惨な様子が映し出されるが、カメラのピント位置をしっかりと感じさせ、それが自然な奥行感、立体感につながっている。
続いてチャプター8。アーサーがチャリティが開催されている劇場のトイレで、因縁のトーマス・ウェインに会うシーン。間接照明の柔らかな光が、壁の大理石やタイルに反射し、ゴージャスな空間として描き出す。そして高級な生地を奢ったトーマス・ウェインの上等なタキシードと、アーサーのしわくちゃの安物パーカーと、質感描写は実に明快。2人の表情、フェイストーンの違いも把握しやすい。
明るいシーンだけでなく、チャプター9のアーサーが、恋人と妄想するソフィーの部屋に入り込む暗めのシーンでも、一定のコントラスト感が確保され、特に不満は感じさせない。シーンの明るさに応じて、レーザー出力を瞬時に、ダイナミックに制御してコントラスト感を稼いでいるが、その処理が絶妙。不自然な浮き沈みも気にならなかった。
最後に「映像モード」を『ナチュラル』に切り換えて、その画質の変化に注目してみたが、色のみせ方、深いグラデーション、コントラスト感と、なかなか見応えがある。
『シネマ』モードに比べると、全体的にプレーンな印象にはなるが、目が慣れるにつれて、力みのない滑らかなグラデーションや、微妙な色調の違いを丁寧に再現する色遣いが心地よく感じられる。特に『ジョーカー』のように、フィルムトーンを大切にして、そのまま収録された作品では、演出を抑えた『ナチュラル』モードでの鑑賞がおすすめだ。
洗練されたデザイン、優れた設置性/操作性、そして4Kレーザーならではの豊かな表現力と、3拍子揃った貴重なプロジェクターだ。期間限定で開催されるお得な買い取りキャンペーンの対象モデルというビッグチャンスの到来。この機会にぜひ、その実力を自分の目で確認していただきたい。

暗部での使い勝手に優れた自照式リモコンを付属。本体右最上段のランプボタンで、操作ボタンが自照する。ボタンの配置だけでなく、形状なども使いやすさに配慮された設計だ
キャンペーンのお知らせ
ただいま、4Kレーザープロジェクター”EH-LS12000”を購入された方を対象に「ホームプロジェクター買取増額キャンペーン」を実施中。EH-LS12000がお得に導入できるチャンスとなっている。詳細は以下のリンクから。

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視聴室は評価の基準であり生命線である。その基準が揺らいではならない
HiVi視聴室のリファレンススピーカーが、替わった。これまでのモニターオーディオ・Platinum Series IIからBowers & Wilkinsの800 Series Diamond(以下、800 D4シリーズ)に変更になった。オーディオビジュアル専門誌の視聴室の標準スピーカーが替わることが、どれほどの意味合いを持つのか。
リファレンスルームおよびリファレンスシステムのミッションは、評価の基準を成すことだ。それは、ハードウェア機器の性能を測る基準であり、同時にディスクや配信のコンテンツの画質、音質を評価する基準でもある。
しかも雑誌やウェブ記事取材の場だけでなく様々なメーカー/代理店がその取扱う機材を評論家/媒体に導入する際の、製品披露の場にもなる。だから、その基準は徹底的に厳密でなければならないのである。基準が揺らいでいてはハードもコンテンツも正確なジャッジメントは不可能だ。
では基準を形成するには何が肝要か。まず客観的な評価を可能にする条件を備えたスクリーニングルームでなくてはならない。それが録音スタジオ音響を目指して設計された約5.2×4.7メートルの寸法のHiVi視聴室だ。壁面には吸音板と反射板をバランスよく配置、残響特性は、かなりデッド(吸音指向)にしている。一般家庭のリスニングルームは「楽しむ音響」だからライブ(音が響く)環境が望ましいが、HiVi視聴室は「規範」であり、ハード、コンテンツを問わずその本質を探求する役割から、デッドを選んだ。音響でのリファレンス性に加えて、HiVi誌のコンセプトである「ホームシアターの規範」にも鑑み、視覚的対策も行なわれた。左右と後方の壁と吸音・反射板はベージュ、天井とスクリーン後方壁面は黒と、スクリーンや直視型ディスプレイへの反射の影響を最小限に抑制している。
リファレンス機器の3条件
部屋の次は、リファレンス機器だ。その条件は3つある。
① その時代の機器として、再生する映像、音のクォリティが最上であること。この部屋で再生/チェックする対象機器の性能を正確に測るという意味からも、さらに機器が有する映像、音の表現力のレベルを測るというミッションのためにも、必要な条件だ。たとえば、UHDブルーレイプレーヤーをテストする場合、その映像出力、音声出力のクォリティ、さらには表現力を正確に測るリファレンス機器には基準性がなければならない。それは「原器」と言ってもいい。
② 機器には普遍性がなくてはならない。特定のメディア、コンテンツに対して偏重性を持つ(音でたとえるとクラシックは良いがポップスは不得意とか、映像でいえばビデオ系は良いが映画は不向きなど)ことは、あってはならない。映画音響のD(ダイアローグ)、M(ミュージック)、S(サウンドエフェクト)の3要素で、Dは良いけれど、Sはだめというシステムでは、HiViでの用をなさない。
③ モニター性とエンタテインメント性の高次のバランス。リファレンスルームは検証の場である。そこでは厳密な意味でのモニター性は絶対に必要だが、そもそもHiViのミッションが「本物のエンターテイメントを愉しむ」ことにあるわけで、単に技術的な検証用の映像、音再現のみでは、それは満たせない。コンテンツに含まれるエモーションを引き出して、それをどれぐらい濃密に感じさせるかという、エンターテイメント再現性も必要だ。
新たに加わったB&W800 D4シリーズは多種多様な機器、作品を扱うHiViにふさわしい資質を有する

B&W 800 D4シリーズを新採用
ではリファレンススピーカーについての条件を述べると、①音色再現の正確さ、癖のなさ、特定のコンテンツに偏重しない公平さ、②サラウンド音場再生のための、同系ユニットでサラウンド製品が展開がされていることである。そこで冒頭に述べた最新のトピックである。リファレンス機器のスターとも言うべき、スピーカーシステムが刷新された。これまでのモニターオーディオ・Platinum SeriesⅡからB&Wの800 D4シリーズに変わった。フロントL/Rが802 D4、センターがHTM81 D4、サラウンド/サラウンドバックが805 D4、サブウーファーがDB1Dだ。目をむくような高級機器だが、すでに世界的に録音、マスタリングのプロの現場で、モニター用途として広く使われている定評のある製品群だ。
実はこれは編集部が勝手に独断で変更したのではない。HiViを支える評論家の各氏に諮問し、実際に聴いて、HiViのミッションに最適だと判断されたから選んだのである。各氏がどのようにこのB&Wシステムを聴いたかについては、2024年のHiVi誌面で紹介されているので、ご覧いただきたい。ちなみに私は潮晴男氏と、ジェームス・キャメロン監督作品の『タイタニック』などの旧作UHDブルーレイを聴き、B&Wの作品性を尊ぶ深い再現性に刮目したことは、記憶に新しい(2024年夏号)。
今回、正式に稼働したタイミングで再度、HiVi的な観点から、B&W 800 D4シリーズが持つ意味合いと意義について再度、考察した。HiViは映像なしの2chステレオ音楽作品から、映像付きのサラウンド収録の音楽作品、映画の三次元立体音響作品まで、多種多様なコンテンツを扱う。リファレンススピーカーは、このすべてに対応しなければならない。
正確性に加わる感動と昂奮
まず2ch音源を802 D4で聴く。SACD/CDプレーヤーとプリメインアンプは、HiVi視聴室のリファレンスである、デノンDCD-SX1 LIMITEDとPMA-SX1 LIMITED。
CD「チーク・トウ・チーク/情家みえ」(UAレコード)は、質感が格段に高い。それは音の表面がしなやかで、同時に内部に細かな音の粒子が蝟集し、音の核がリジッドに存在し、レンジ感の天井が高く、しかも、ここが大事なところだが、感情表現が豊潤で、ディテイルまでたいへん細やかだ。この表現については、UAレコードの作り手としても、とても納得するところだ。音場も豊か。空間が広く、深い。そして何より音色に非常に質感の高い艶が乗る。これはまさにB&W 800 D4シリーズのワン・アンド・オンリーの美点だ。HiViでのリファレンス性とは、モニターにスピーカーとして音の素性を厳密に検証することに加え、音楽であれば、どれほどの音楽性があるのか、映画であればどれほどの感情が持てるかこそが肝要なのだ。この「艶」の多少は、コンテンツにどれほどのエモーションがあるかのメルクマールでもある。
ではマルチチャンネル音楽映像はどうか。UHDブルーレイ『Feel like Making Live!/ボブ・ジェームス』のドルビーアトモス。ベッドスピーカーが同一シリーズのスピーカーならではの緊密音場であり、オーバーヘッドスピーカーのイクリプスTD508MK4スピーカーとの繋がりも良く、包まれ感が心地好い。音場に高密度に充満したキーボードの表情の機微が、実に細やかに再生される。アコースティックとエレクトリックというピアノの使い分けによる音楽性の違いも明瞭。そうした正確性に加え、スイングやグルーブも高感度だ。
次に映画。『トップガン マーヴェリック』のチャプター2。D/M/Sを実にリアルに再生するスピーカーだと、判断した。セリフの偉容な剛性感、効果音の飛翔音/移動感、ハンス・ジマーのせき立て畳みかける音楽の緊迫感……など、このチャプターが持つテンションの高さ、緊迫感、挑戦への切迫感……などの意味合いを、臨場感豊かに、しかもハイクォリティに聴かせてくれた。特に「凄み」「慶び」「驚き」……という感情表現が濃く、それが場の雰囲気、空気感を雄弁に物語った。マッハ10を超えたときの感動と昂奮は、スクリーンでの出来事と自分が共振するようだ。
最新のB&W 800 D4シリーズで2ch、マルチチャンネル音楽、アトモスの映画をHiVi視聴室で聴いてきたが、HiViという多種多様な機器、コンテンツを扱うメディアのリファレンスにふさわしい資質を有していると、私は確信したのである。
>【HiVi視聴室の新リファレンスシステム】スピーカーシステム編〜B&W800 D4シリーズを語る
>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』
JUNE 2025 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION
THE CRITERION COLLECTION has announced its JUNE 2025 slate of 4K UHD BLU-RAY(5)and BLU-RAY(2)releases. They are: SORCERER(1977)THE WIZ(1978)BRAZIL(1985)MISHIMA: A LIFE IN FOUR CHAPTERS(1985)THIRTY TWO SHORT FILMS ABOUT GLENN GOULD(1993)MIDNIGHT(1939)and THELONIOUS MONK STRAIGHT, NO CHASER(1988)

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
クライテリオンが贈る6月のタイトルはバラエティ豊かなラインナップ。まず6月5日に登場するのはテリー・ギリアム監督作『未来世紀ブラジル』(1985)である。巨大な管理システムの下で人びとの自由もプライバシーも奪われた近未来の某国。主人公は管理機構の末端の小役人サム・ローリー(ジョナサン・プライス)。無気力な日々を送る彼の自由への夢は、白日夢に登場する美女や神出鬼没のテロリストによって体現される。ある日、情報省のコンピュータ室に迷い込んだハエのせいで、コンピュータの情報ミスが生じてしまう。その結果、善良な靴職人がテロリストと間違えられて逮捕された。この一件を通じて、夢の中の美女と瓜ふたつのジル(キム・グライスト)と出会ったサムは、彼女を追ううちに巨大な悪夢の中に吸い込まれていく・・・。ジョージ・オーウェルのデストピア小説『1984』を思わせる高度な管理社会でサムがたどる悪夢のような運命を、さまざまな幻想シーンを織り交ぜながら描き出したレトロフューチャリズムSFファンタジー。
United Kingdom \ 1985 \ 143 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 2160p/4K
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION OF TERRY GILLIAM'S DIRECTOR'S CUT, supervised and approved by Gilliam, with 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Audio commentary by Gilliam
- What Is "Brazil"?, Rob Hedden's on-set documentary
- The Production Notebook, a collection of interviews and video essays, featuring a trove of Brazil-iana from Gilliam's personal collection
- The Battle of "Brazil," a documentary about the film's contentious release, hosted by Jack Mathews and based on his book of the same name
- "Love Conquers All" version, the studio's ninety-four-minute, happy-ending cut of Brazil, with commentary by Brazil expert David Morgan
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by film critic David Sterritt
Released: JUNE 3, 2025
List Price: $59.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET)$49.95 USD(BLU-RAY 2-DISC SET)

本作品を巡る終わりなきトラブルや「壮大な失敗作」という逆説的な賛辞が、ギリアムの映像作家としての名声を決定づけたことは否めない。だが本作品についてギリアムが「人間が現実から逃げることの不可能さと、自分の個性に必死にしがみついていく情熱の物語」と語っているように、内包するテーマは時代を超越している。 さらに本作品のタイトルが当初『1984 ½』ということを想えば、ギリアムがビジュアルスタイルを構築する上ででロールモデルとみなしている小説『1984』と、巨匠フェデリコ・フェリーニへのあからさまな敬意を読み取ることができよう。ギリアム自身の魅惑的で奥の深い想像力、社会性・政治性を帯びた洗練されたメッセージ、視覚芸術に対する開けっ広げの情熱、細部ディテイルへのこだわり、豪華なセットデザイン、構築的なライティング手法を巧みに組み合わせた本作品は、映画史に残るインパクトを持つ視覚的修辞のひとつとしての存在感を放ち、映画の一級品のみが持ちうる魅力に満ち満ちた傑作として愛され続けているのである。

撮影監督はアカデミー賞候補にもなったロジャー・プラット。ギリアム作品『フィッシャー・キング(クライテリオン4K UHD BLU.あり)』『12モンキーズ』のほかに、リチャード・アッテンボロー、マイク・リー、ニール・ジョーダン、ティム・バートンなど多くの映画監督とのコラボで知られる英国人撮影監督である。ノーマン・ガーウッドのプロダクションデザインが造作されると、プラットとギリアムは超広角レンズとダッチアングル(傾斜したカメラアングル)の多用を決断した。プラットはシーンに応じてツァイスの14mmと11mm、キノプティック9.8mmレンズで撮影。なかでも9.8mmレンズは当時最新の技術革新で、魚眼効果のない短焦点レンズとしては初めてのものであり、主流のハリウッド作品に慣れている観客にとっては異例の広角ショットとなった。広角レンズとダッチアングルは、登場人物が置かれている不安定な状況を示し、恐怖や焦燥、緊張感や切迫感を伝えており、深い被写界深度の描画と共に4K鑑賞の醍醐味を楽しむことができるはずだ。最後に、プラットは昨年12月31日に逝去。享年77歳であった。
タイトル | 未来世紀ブラジル |
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年 | 1985 |
監督 | テリー・ギリアム |
製作 | アーノン・ミルチャン |
製作総指揮 | テリー・ギリアム トム・ストッパード チャールズ・マッケオン |
脚本 | ブルース・A・エヴァンス レイノルド・ギデオン |
撮影 | ロジャー・プラット |
音楽 | マイケル・ケイメン |
出演 | ジョナサン・プライス キム・グライスト ロバート・デ・ニーロ イアン・ホルム キャサリン・ヘルモンド ボブ・ホスキンス マイケル・パリン イアン・リチャードソン ピーター・ヴォーン ジム・ブロードベント デリック・オコナー |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION

三島由紀夫の生涯と彼の作品に材を得て、フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス製作総指揮、ポール・シュレイダー監督で描く伝記ドラマ『MISHIMA』(1985)。「4つの章で綴る人生」というサブタイトル通り、「美(beauty)」「芸術(art)」「行動(action)」「文武両道(harmony of pen and sword)」のチャプターで構成。三島事件当日(1969年11月25日)のエピソード、出生から楯の会結成までの回想、自作『金閣寺』『鏡子の家』『奔馬』のドラマ化パートをコラージュ感覚で混成させながら、三島の心の葛藤と矛盾を掘り下げていく。脚本はポール・シュレイダーと、兄レナードとその妻チエコ・シュレイダーによる共同脚本。撮影・ポストプロダクションは1984年に行われ、翌1985年、第38回カンヌ国際映画祭パルム・ドール候補となった本作品は、芸術貢献賞(シュレイダー)を受賞している。カンヌで反響を呼んだ本作品は『MISHIMA - 11月25日 快晴』の邦題で国内公開される予定であったが、同性愛を匂わせる三島の描写などに対して三島の妻・平岡瑤子がボイコット、一部の右翼団体の抗議といった諸問題により劇場公開は見送られた。以降、日本では上映はおろか、パッケージソフト・リリースも行われていない。現時点ではクライテリオン4K UHD『MISHIMA』が最良の鑑賞手段となる。
United States, Japan \ 1985 \ 121 minutes \ Black and White / Color \ 1.85:1 \ Japanese ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION OF THE DIRECTOR'S CUT, supervised and approved by director Paul Schrader and cinematographer John Bailey, with 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- Two alternate English narrations, including one by actor Roy Scheider
- Audio commentary featuring Schrader and producer Alan Poul
- Program on the making of the film featuring Bailey, producers Tom Luddy and Mata Yamamoto, composer Philip Glass, and production designer Eiko Ishioka
- Program on Yukio Mishima featuring his biographer John Nathan and friend Donald Richie
- Audio interview with coscreenwriter Chieko Schrader
- Interview excerpt from 1966 featuring Mishima talking about writing
- The Strange Case of Yukio Mishima, a 1985 documentary about the author
- Trailer
- PLUS: An essay by critic Kevin Jackson, a piece on the film's censorship in Japan, and photographs of Ishioka's sets
Released: JUNE 3, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY)

私は『タクシードライバー』という自殺願望の病理を描いた映画を書いたことがある。このテーマが好きなので、また書こうと思った。ある日、日本で教師をしていた兄が三島のことを話してくれた。私は「これだ」と思った。成功した男、文学者、教養のある男、家族思いの男、同性愛者の男、裕福な男、報酬を得た男が、まったく異なる文脈の中でトラヴィス・ビックルと同じ病理にとらわれている。人生が彼の芸術に大きく影響し、解決は死によってのみ達成されるものだった。リサーチに携わるようになってから、脚本を書く上で小説を抜粋する必要があることに気づいた。なぜなら、作家の人生は、実際には作家自身の想像力の中に存在しており、そうした作品を語らずに作家の人生を語れるはずがないからだ。ポール・シュレイダー

撮影監督は『普通の人々』『キャット・ピープル』のジョン・ベイリー。複雑な構成の脚本を読んだベイリーは、ドラマのパートごとに変化を持たせたカラースキームを徹底。三島事件のシークエンスはナチュラルな配色、回想はモノクロ、『金閣寺』黄金色と緑が主色、『鏡子の家』はビビットなピンクと灰味の濁色、『奔馬』は橙系のウォームカラーと黒を主軸としたカラースキームは、卓越した石岡瑛子のプロダクションデザインと相まって強烈な印象を残す。音楽は『コヤニスカッティ』『めぐりあう時間たち』のフィリップ・グラス。現在を表現する弦楽オーケストラとパーカッション、過去を想起させる弦楽四重奏、架空のシーンのための弦楽器、電子ハープ、エレキギター、合成音を組み合わせた付随音楽など、それはまるで血管を流れる血液が奏でる交響曲のようであり、周期的で反復的で、ざわめくような有機的なリズムを奏でてみせる。
シュレイダーとベイリーの監修と承認を受けた2018年4Kレストア・マスター使用(121分ディレクターズカット)。これは米バーバンクのラウンドアバウト・エンターテインメント保管の35mmオリジナルカメラネガを4K解像度でスキャニング、アメリカン・ゾエトロープでの修復とクライテリオンによる追加の修復が行われたマスターである。4K UHD制作に当たって更なる修復と、HDRグレーディングが行われている。同じく2018年に35mm磁気プリントマスターからリマスターされた、オリジナル2.0サラウンドサウンドトラックも新たな整音を施されている。
※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
タイトル | MISHIMA:A LIFE IN FOUR CHAPTERS |
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年 | 1985 |
監督 | ポール・シュレイダー |
製作 | トム・ラディ 山本又一朗 |
製作総指揮 | ジョージ・ルーカス フランシス・コッポラ |
脚本 | チエコ・シュレイダー ポール・シュレイダー レナード・シュレイダー |
撮影 | ジョン・ベイリー |
プロダクションデザイン | 石岡瑛子 |
音楽 | フィリップ・グラス |
出演 | 緒形拳 沢田研二 坂東八十助 永島敏行 利重剛 大谷直子 佐藤浩市 萬田久子 左幸子 烏丸せつこ 池部良 誠直也 塩野谷正幸 三上博史 徳井優 |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
カンザスの代わりにブルックリンが登場し、L・フランク・ボームが生み出したキャラクターをダイアナ・ロスとマイケル・ジャクソンが演じ、アメリカ音楽界の巨人クインシー・ジョーンズが音楽を手掛ける黒人版『オズの魔法使』、『ウィズ』(1978)の登場である。オリジナルは1974年の大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカル。『オズの魔法使』の新バージョンをアフリカ系アメリカ人の観客向けに作る、という斬新なアイデア。ファンキーな歌と都会のムードを融合させつつ、不朽のオズの世界観と、多くのスラム街の住人が抱く豊かな生活への憧れとを対置させたストーリー。やっかいな人種問題に立ち入ることを避け、純粋な美的観点からその存在を正当化させたミュージカルであった。脚色は『カー・ウォッシュ』の脚本で認められ、のちにヒットメイカー監督となるジョエル・シューマカー。舞台の台詞のほとんどを使用しなかったシューマカーの脚本は賛否を呼んだが、本作品には生命力あふれたエネルギーがあり、センセーショナルな特殊効果や衣装、そしてロスやジャクソンをはじめとする魅力のキャストがいる! 製作・配給はモータウン・プロダクションズとユニバーサル・ピクチャーズ。監督は驚く勿れ、社会派の名匠シドニー・ルメットである。残念ながら本作品は興行的には失敗し、批評家からも無視され続けてきた。だが近年、ビッグアップルにとって歴史的にも幻想的にも重要な作品として評価が高まっている。
United States \ 1978 \ 134 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, approved by producer Rob Cohen
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- REMIXED DOLBY ATMOS AUDIO TRACK
- New audio commentary featuring scholars Michael B. Gillespie and Alfred L. Martin
- Archival interviews with director Sidney Lumet and actor Diana Ross
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
Released: JUNE 10, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY)

第51回アカデミー撮影、音楽(編曲・歌曲)美術監督/装置、衣装デザイン賞ノミネート作品。撮影は『ナバロンの要塞』『屋根の上のバイオリン弾き』のオズワルド・モリス。パパナビジョン・パナフレックス/パナビジョン球面レンズ撮影作品。オリジナル・フレームは1.37:1スタンダード。上映はソフトマット/1.85:1ビスタサイズ。音響エンジニアはジャック・フィッツステッフェンス(音響編集)ディック・ヴォウリセク(リレコーディングミキサー)ほかルメット組が顔を揃えている。
これまで誰も見たことのない、まったくユニークな映画体験となるだろう。これは現代(70年代)のファンタジーだ。1939年の『オズの魔法使』から得られるインスピレーションは何もない。彼らは素晴らしい映画を作ったが、その内容を一切使わないようにしただけだ。私たちのコンセプトは、つまり彼らはカンザス、私たちはニューヨーク、彼らは白人、私たちは黒人、音楽と脚本も全く異なっているため、どの部分でも重複しないようにしたかった。シドニー・ルメット

※ When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
本作品は2010年に35mmインターポジからのHDリマスターBLU-RAYが登場しているが、それ以来、冬眠状態となっていた。今回はユニバーサルの協力によって35mmオリジナルネガからの4Kスキャン/レストア・マスターを得られており、テクニカラー・ニューヨークのHDR/SDRグレードを含めて別次元の映像を楽しめるはず。またNBCユニバーサル・スタジオポストのサウンド部門によってリミックスされたドルビーアトモス・サウンドトラックも収録。画、音のいずれも乞うご期待!
※ When viewing this clip, please set resolution to 2160p/4K
タイトル | ウィズ |
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年 | 1978 |
監督 | シドニー・ルメット |
製作 | ロブ・コーエン |
製作総指揮 | ケネス・ハーパー ベリー・ゴーディ |
脚本 | ジョエル・シューマカー 《原作》L・フランク・ボーム 《原作戯曲》ウィリアム・F・ブラウン |
撮影 | オズワルド・モリス |
特殊効果 | アルバート・ホイットロック |
特殊メイク | スタン・ウィンストン |
音楽 | チャーリー・スモールズ クインシー・ジョーンズ |
出演 | ダイアナ・ロス マイケル・ジャクソン ニプシー・ラッセル テッド・ロス リチャード・プライアー レナ・ホーン テレサ・メリット メイベル・キング セルマ・カーペンター スタンリー・グリーン |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
2025年3月4日、ジョルジュ・アルノーの傑作小説を映画化した、アンリ=ジョルジュ・クルーゾーの1953年監督作『恐怖の報酬』(原題:LE SALAIRE DE LA PEUR/米題:THE WAGES OF FEAR)の高品位な4K UHD BLU-RAYがクライテリオンから登場した。カンヌ国際映画祭グランプリ(現パルム・ドール)ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた同作は、なんど観ても心臓にたっぷりと汗をかかせてくれる傑作サスペンスであり、世界の映像作家に大きな影響を与え、映画史上もっとも神経をすり減らす名作のひとつとして映画ファンに記憶されている。そして24年後の1977年、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』で世界的な成功を収めた監督ウィリアム・フリードキンが、自身のキャリアの中でもっともリスクの高い映画、クルーゾーの名作の映画化『恐怖の報酬』(1977/原題:SORCERER)に取り組んだ。クライテリオンはこの2作品を4K UHDで初めてリリースする唯一のレーベルであり、2作品揃えて鑑賞することをお薦めしたい。フリードキンはクランクイン前に「クルーゾーの映画よりも粗野で、『フレンチ・コネクション』のようなドキュメンタリー感覚の映画にしたい」と語っており、その演出スタイルは随所でアルノーの文体(米国文学のハードボイルド小説にみる粗削りな簡素直截な文体)を思わせて興味深い。
United States \ 1977 \ 121 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English, Spanish, French, Arabic, German ※ When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
とはいえ今も昔も、リメイクが心を開いて歓迎されることは滅多にない。フリードキンに『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』という連続ヒットがあったとはいえ、公開当時の評論家や観客から冷遇された理由を探して観るなら、本作品は十分な理由を与えてくれる。いったいどういう意味だ? というタイトル『SORCERER』からラストシーンに至るまで、意図的に、観る者を挑発するが如き晦渋な映画という印象が強い。ドキュメンタリー的な映像リアリズム。此見よがしなサウンドとの迎合を拒むスタイル。説明は殆どなく、観客は見知らぬ土地や状況に放り込まれる。暗く、暴力的で、ネームバリューがあるのは巧者だが必ずしも儲けを呼ぶわけではないアメリカ人俳優(ロイ・シャイダー)がたったひとり。『スター・ウォーズ』と同じ夏に公開された本作品が、ヒット作となるはずはなかったのだ。だが一部の観客は、催眠術を思わせる前半のムードに浸りながらゆっくりと映画に引き込まれ、引き金を絞って放たれる凶弾のような後半のアクションに酔い痴れていた。あれから48年、公開時は批評的にも商業的にも失敗の烙印を押されたが、その後パッケージソフト化されると次第に再評価されていくことに。2013年ヴェネチア国際映画祭では新たな4Kトランスファーが披露され、映画館やBLU-RAYでの鑑賞を通じて、映画の持つ生々しいパワーに驚嘆した新世代のファンを獲得。現在では「見過ごされた逸品」と高い評価を受けるまでになったのだ。そして、いよいよ4K UHDの登場である。2013年にワーナーMPI(モーションピクチャーイメージング)が4Kスキャン/レストアを施し、フリードキンの監修・承認を得た4K DIマスターを採用。4K化に伴うさらなる修復、新たなHDRグレーディン(HDR10、およびドルビービジョンHDR)が行われている。サウンドは新たにリマスターされた5.1ch、および2.0chサラウンドサウンドトラックを収録する。
When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack approved by director William Friedkin
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Alternate 2.0 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- Friedkin Uncut (2018), a documentary by Francesco Zippel featuring interviews with Friedkin; screenwriter Walon Green; filmmakers Wes Anderson, Francis Ford Coppola, and Quentin Tarantino; and others
- New conversation between filmmaker James Gray and film critic Sean Fennessey
- Archival audio interviews with Green and editor Bud Smith, from the collection of Giulia D'Agnolo Vallan, author of William Friedkin (2003)
- Conversation from 2015 between Friedkin and filmmaker Nicolas Winding Refn
- Behind-the-scenes footage of Friedkin on set
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by film critic Justin Chang
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 2-DISC SET)

ビリー(フリードキン)の『恐怖の報酬』へのアプローチは、リアプロジェクションやトリック撮影を排除するものだった。俳優、車両、地形が、各ショットの構成に非常に密接に統合されていた。そのため、映し出される映像は、実際に起こったこととまったく同じだ。常に危険にさらされた撮影だったが、無謀なリスクを取るように私を説得できた人は、これまでビリー以外に誰もいなかった。だが、撮影が終わり、あの粗い映像を見たとき、その価値があったと理解できた。ロイ・シャイダー

私はスティーブ(マックイーン)にこの映画について話し、脚本を送った。2日後、彼から電話があり、「これは今まで読んだ中で最高の脚本だ」と言われた。そしてスティーブに「アリ(マッグロー)と結婚したばかりで、6か月間もひとりでジャングルに行きたくない。彼女の役を書いてくれないか」と頼まれた。私は「スティーブ、君は今まで読んだ中で最高の脚本だと言ったばかりだ。女性は一切出てこない。フランス人女性の役はほんの少しあるけど、アリの役じゃない」と答えた。すると彼は「よし、彼女を製作総指揮者か共同プロデューサーにしてくれ」と言う。当時の私は本当に傲慢なガキだった。今、もしスティーブ・マックイーンが私にそう頼んだら、私はすぐに同意しただろう。でも私は「スティーブ、それはでたらめなクレジットだ。私はそんなことはしない」と跳ね除けた。すると彼は「わかった、じゃあアメリカで撮影できる場所を探してくれ」と言う。私は答えた。「スティーブ、今の場所で満足している」とだけね。私はただ傲慢な間抜けだった。彼は「その条件では出演できない」と言い、交渉は決裂した。その時には、マルチェロ・マストロヤンニとリノ・ヴァンチュラの出演が内定していたんだが、スティーブが去り、代わりにロイ・シャイダーを起用することになると、マストロヤンニもヴァンチュラも出演を断ってきた。シャイダーは素晴らしい俳優だが、スティーブのような大スタアではない。当時は映画スタアが必要だった。ウィリアム・フリードキン
※ When viewing this clip, please set resolution to 720p/HD
タイトル | 恐怖の報酬 |
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年 | 1977 |
監督 | ウィリアム・フリードキン |
製作 | ウィリアム・フリードキン |
脚本 | ウォロン・グリーン ウィリアム・フリードキン 《原作》ジョルジュ・アルノー |
撮影 | ジョン・M・スティーヴンス ディック・ブッシュ |
音楽 | タンジェリン・ドリーム |
出演 | ロイ・シャイダー ブルーノ・クレメル フランシスコ・ラバル アミドウ ラモン・ビエリ ピーター・カペル カール・ジョン フレデリック・フォン・レデブール ジョー・スピネル ジェラード・マーフィ チコ・マルティネス ジャン=リュック・ビドー フランク・ジオ |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
50歳で他界したカナダを代表する世界的音楽家グレン・グールド、その生涯に迫る伝記アンソロジー『グレン・グールドをめぐる32章』(1993)。監督は『レッド・バイオリン』『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』のフランソワ・ジラールで、本作品が長編監督第2作となり、映画監督としての地位を確立させている。タイトルの32章とは「1+30+1」を意味しており、グールドの代名詞「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」の「主題のアリア+アリアの32音の低音主題に基づく30の変奏+ダ・カーポのアリア」を指す。コルム・フィオールが演じるグレン・グールドは、カナダのシムコー湖近くの別荘での思い出を振り返る。それは幼少期のこと。5歳の彼はコンサートピアニストになることを、すでに決心していた。実際、本を読むより先に楽譜を読むことができ、母親からバッハの楽曲を学んでいた。グールドは自分自身にインタビューしているところを想像した。その中で彼は、32歳でコンサートをやめ、代わりにメディアを通じて聴衆とコミュニケーションを取ることを選んだ理由について、自分自身と向き合うことになる。グールドは自分に言い聞かせる。音楽家は、たとえそれがどんなに善良な人間であっても、避けられない独裁者であると・・・。本作品は45 秒から数分にわたる控えめで魅力的な32章の短編映像(ほぼ年代順に並べられた生涯のエピソード)で構成されており、音楽家グールドの繊細で型破りな肖像を描き出していく。グールドを知らない人にとっては取っつき難い映画かもしれないが、グールドの数秘術、音楽の完璧さ、神秘主義への執着を讃える点でピーター・グリーナウェイの映画を彷彿とさせて興味深い。
Canada \ 1993 \ 93 minutes \ Color \ 1.85:1 \ English
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, supervised and approved by director François Girard, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- New audio commentary featuring Girard and cowriter and actor Don McKellar
- New conversation between Girard and filmmaker Atom Egoyan
- Glenn Gould: Off the Record and Glenn Gould: On the Record, companion programs from 1959 produced for Canadian television
- Archival interviews with actor Colm Feore and producer Niv Fichman
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by author and film criti
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY)

グールドはとても複雑な人物だった。脚本を書く上で最大の難点は、グールドの音楽を聴いて、彼のビジョンを理解して捉えることだった。脚本は断片から構成されており、それぞれがグールドの側面を捉えようとしている。グールドをひとつの枠に当てはめることはできない。観客が受けるグールドの印象は32ある。彼をひとつの次元に収めたくなかった。脚本ドン・マッケラー

タイトル | グレン・グールドをめぐる32章 |
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年 | 1993 |
監督 | フランソワ・ジラール |
製作 | ニヴ・フィッチマン マイケル・オールダー バーバラ・ウィリス・スウィート ラリー・ワインスタイン |
脚本 | フランソワ・ジラール ドン・マッケラー |
撮影 | アラン・ドスティエ |
音楽 | グレン・グールド |
出演 | コルム・フィオール ジョシュア・グリーンブラット カチャ・ラダン シーン・ライアン ドン・マッケラー シャロン・ベルンバウム デヴォン・アンダーソン ケイト・ヘニッグ |
BLU-RAY RELEASE
BLU-RAY SPECIAL EDITION
1920年代から続く最盛期のハリウッド映画は、1930年代に入って技術的にも内容的にも急速に進化することになる。一方で映画ファンの目もしっかり肥えてきて、ソフィスティケイテッド・コメディ、ギャング映画、女性映画、ミュージカルといったジャンルも確立された。この時期の監督の中には、日本での知名度が低い監督も少なくない。『明日なき抱擁』『絢爛たる殺人』で知られ、パラマウントの中堅監督であったミッチェル・ライゼンもそのひとりであろう。スタジオの美術部門と衣装部門から転身したライゼンは、ハリウッドの華やかなメロドラマやスクリューボール・コメディで持ち味を発揮した監督であり、エルンスト・ルビッチやプレストン・スタージェスと並ぶ存在と称する向きも多い。監督に転身前のビリー・ワイルダーとプロデューサーに転身前のチャールズ・ブラケットが共同で脚本を書いた『ミッドナイト』(1939)も、ライゼンの代表作となるスクリューボール・コメディの傑作である。
ヒロインは、パリの都にやって来た職ナシ金ナシ運もナシのアメリカ人ショーガール(クローデット・コルベール)。ひょんなことから男爵夫人になりすましたヒロインと、若いツバメ(フランシス・レデラー)から妻(メアリー・アスター)を取り戻そうとする裕福な紳士(ジョン・バリモア)、そしてヒロインに一目惚れしたタクシー運転手(ドン・アメチー)が加わって珍騒動を繰り広げることに。30年代パラマウントのお馴染みのスタジオスタイルを披露しつつ、辛辣な社会観察(階級差別、不貞)おとぎ話のような現実逃避(偽りの身元)といった当時のコメディとしては大胆な要素を注入した本作品だが、そこは当時絶好調だったワイルダーとブラケットの脚本、台詞のひとつひとつからも洗練とウィットとエレガントが香り立つ。
United States \ 1939 \ 94 minutes \ Black & White \ 1.37:1 \ English
BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- New audio commentary featuring author and film critic Michael Koresky
- New program featuring audio excerpts of a 1969 interview with director Mitchell Leisen
- Lux Radio Theatre adaptation of the film from 1940
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by film critic David Cairns
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $39.95 USD(BLU-RAY)

スクリューボール・コメディと言えば前述のプレストン・スタージェスの代名詞だが、1939年はスタージェスにとっても、本作品の脚本を書いたワイルダーにとってもターニングポイントとなる年であった。30年代後半、スタージェスはスタジオシステムの厳格な管理下で一連の脚本に取り組んだが、そのいくつかはお蔵入りとなり、クレジットされることもあれば、されないこともあった。監督が自分の脚本の台詞を扱う方法に不満を抱いたスタージェスは、自分の脚本は自分でコントロールしようと決心する。1939年、スタージェスは『偉大なるマッギンティ』の脚本をパラマウントに譲渡し、代わりに監督するチャンスを得ることで掲げた目標を達成している。『偉大なるマッギンティ』は作品評価も、興行面でも成功を収め、スタージェスの成功はすぐにワイルダーやジョン・ヒューストンなどへ脚本家兼監督契約への道を開くことになった。記録によると、ワイルダーはライゼンによる脚本の変更に不満を抱いていたとされ、それがワイルダーに監督を兼ねてクリエイティブなコントロールを得ようという動機を与えたという。そして1941年、ワイルダーはスタージェスが切り開いた道を歩み、脚本と監督を兼ねた『少佐と少女』(アメリカでの初監督作)を演出することになる。

タイトル | ミッドナイト |
---|---|
年 | 1939 |
監督 | ミッチェル・ライゼン |
製作 | アーサー・ホーンブロウ・Jr |
製作総指揮 | ウィリアム・ルバロン |
脚本 | ブルース・A・エヴァンス レイノルド・ギデオン 《原案》エドウィン・ジャスタス・メイヤー フランツ・シュルツ |
撮影 | チャールズ・ラング |
音楽 | フレデリック・ホランダー |
出演 | クローデット・コルベール ドン・アメチー ジョン・バリモア フランシス・レデラー メアリー・アスター ヘッダ・ホッパー モンティ・ウーリー |
BLU-RAY RELEASE
BLU-RAY SPECIAL EDITION
孤高の天才ジャズ・ピアニスト、セロニアス・モンクの生涯を描くドキュメンタリー『セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー』(1988)。モンクとそのグループのライブ演奏、死後の友人や家族のインタビューを収録した本作品は、1988年の作品であるが、モンクが映る映像はそれより20年以上前のフィルムが使われている。 1967年から1968年にかけて、クリスチャン・ブラックウッドとマイケル・ブラックウッドは、ドイツのテレビ向けにニューヨーク、アトランタ、ヨーロッパを旅するモンクを6か月間密着取材した。その際に撮影された映像は、モンクと彼のバンドのライブ演奏、貴重なモンクのオフステージの映像が含まれ、1時間ドキュメンタリー『MONK』(1968)の本編映像以外に13時間を超えるアウトテイクが生まれた。これらの映像は放送局に管理保管されていたが、1980年代初頭にクリスチャンが映画プロデューサーのブルース・リッカーに接触、ダイレクトシネマのパイオニアであるシャーロット・ズウェリンを招いてリニューアル・プロジェクトが動き出す。当初はモンクの出演も検討されたが、体調悪化に伴う脳卒中で1982年2月に他界。その後も権利問題などのトラブルに見舞われ、資金繰りも思うようにいかず、一時はプロジェクト中止寸前まで追い込まれている。リッカーは最後の望みを賭け、1987年、『バード』をクランクアップしたばかりのクリント・イーストウッドに接触、資金提供を打診した。イーストウッドは、彼の製作会社マルパソ・プロダクションが製作することに同意し、映画を完成させるために必要な予算を与えている。ようやくプロジェクトは動き出し、20年間保管されていた『MONK』の映像とアウトテイク、さらに新たに撮影されたインタビュー映像を加えて構成した本作品が完成。イーストウッドは製作総指揮としてクレジット、ワーナー配給で1988年10月に劇場公開されている。
United States \ 1988 \ 89 minutes \ Color/Black and White \ 1.33:1 \ English
BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- Introduction by director Charlotte Zwerin
- New interview with musician T. S. Monk, son of Thelonious Monk
- New program about Zwerin and the making of the film featuring interviews with writer Michael Schulman, assistant editor Bernadine Colish, and Zwerin's nieces Lisa and Laura Tesone
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by music
Released: JUNE 17, 2025
List Price: $39.95 USD(BLU-RAY)

2020年、ワーナーMPIが35mmオリジナルカメラネガ(本編とアーカイヴ映像は16mmからブローアップされたもの)を4Kデジタルレストア。サウンドもリマスターされている。新たなレストア・マスターはターナー・クラシック・ムービーズ(TCM/ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・ネットワークスが運営する映画専門チャンネル)で配信され、各方面から再評価されている。

タイトル | セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー |
---|---|
年 | 1988 |
監督 | シャーロット・ズウェリン |
製作 | ブルース・リッカー シャーロット・ズウェリン |
製作総指揮 | クリント・イーストウッド |
撮影 | クリスチャン・ブラックウッド |
音楽 | ディック・ハイマン |
出演 | セロニアス・モンク フィル・ウッズ チャーリー・ラウズ ラリー・ゲイルズ ベン・ライリー ジョニー・グリフィン |
バックナンバー:世界映画Hakken伝 from HiVi
バックナンバー:2025年5月のクライテリオン
家庭用プロジェクターの市場をリードするエプソンが満を持して送り出してきたdreamio(ドリーミオ)シリーズの事実上の最高峰モデルEH-LS12000。投写レンズを本体中央に配置したシンメトリーなデザインは実にスマートで、本体サイズも2700ルーメンの高輝度4Kレーザーとは思えないほど、コンパクトだ。
外観は昨年登場した弟モデルEH-LS11000と本体色は異なるものの、瓜二つであり基本設計も同等と思われる。ただプロジェクターの表現力に大きな影響を及ぼすに光出力についてはEH-LS12000の方が10%弱高い。
EH-LS1100よりも高出力のレーザー光源を組み込みながら、本体サイズは変わらない。こうなると冷却用ファンによる騒音レベルが気になるところだが、仕様表を見ると、22dB(最小時)と30dB(最大時)とまったく一緒だ。EH-LS12000の実際の動作音を確認してみたが、これが思いのほか静か。感覚としては20dB前後の騒音レベルで、風切りノイズが耳障りにならない。

4K Laser Projector
EPSON
EH-LS12000
オープン価格
●型式:4Kレーザープロジェクター
●方式:3LCD
●光源:レーザーダイオード
●投写パネル:0.74型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル(16:9)
●パネル解像度:水平1,920×垂直1,080画素×3
●表示解像度:水平3,840×垂直2,160画素
●光出力:2,700ルーメン(最大)
●コントラスト比:2,500,000:1(ダイナミック値)
●投写レンズ:2.1倍電動ズーム・フォーカスレンズ F:2.0〜3.0、f=22.5〜46.7mm
●接続端子:HDMI×2(1系統eARC/ARC対応)、トリガー、RS-232Cほか
●騒音レベル:22dB(最小)
●消費電力:311W(レーザーライト100%時)、0.4W(スタンバイ時)
●寸法/質量:W520×H169×D447mm/約12.7kg
キャンペーンのお知らせ
ただいま、4Kレーザープロジェクター”EH-LS12000”を購入された方を対象に「ホームプロジェクター買取増額キャンペーン」を実施中。EH-LS12000がお得に導入できるチャンスとなっている。詳細は以下のリンクから。

明るくしかも静粛性にも優れたレーザー光源を採用。4K表示を実現する「2軸シフトテクノロジー」にも注目
エプソンの技術者によると「人間の聴覚特性を配慮した冷却設計の賜物」ということだが、家庭で使うプロジェクターとしてはこの静寂性は魅力的。またスタンバイ時から電源オン時での出画までの時間、および電源オフ時での冷却ファンが停止するまでの時間が比較的短いのも見逃せない特徴だ。地味なことかもしれないが、実際使ってみると、この“時短”性能は使い勝手に直結する事柄であり、とてもありがたい。
実はこの静かさは、レーザー光源回りの独自設計によるところも大きい。ブルー(B)レーザー光源は2系統から構成され、そのうち1系統はフォスファー(蛍光体)にあたりレッド(R)とグリーン(G)の色成分を励起してイエロー(Y)に合成、そこにもう1系統のブルーレーザーを加えてW(白)を作る。そこからダイクロイックミラーでR/G/Bに分光して、3枚の透過型液晶(LCD)パネルへと送り、映像信号に変調。さらにプリズムという光学部品でR/G/Bを合成したうえで、フルカラー表示を実現する。
この方式は、レーザー光源を使った家庭用3チップ式プロジェクターでは比較的ポピュラーな仕組みではあるが、三原色を得るためのフォスファーに一般的な有機材ではなく、無機材を採用しているのがポイント。経年劣化に強く、有機素材のように回転する必要がない。当然、その駆動ノイズが発生せず、静音性に有利に働くというわけだ。

本体内部でのレーザー光源の仕組み。レーザー光源を用いて、RGBをそれぞれLCDパネルで変調し、プリズムと呼ばれるレンズにつながる部品で混色して投写する流れだ

本体内部をレンズ後方から撮影した。茶色のフラットケーブルの先に0.74インチサイズのLCD(透過型液晶)パネルが組み込まれている
そして設置時の自由度の高さはdreamioシリーズならでは。投写レンズは光学2.1倍ズームとし、上下96%、左右47%のシフト機能を備え(※)、ピント合わせも含めて、すべて電動制御となる。天吊り設置した場合でも、スクリーン前で手軽に精緻な調整が可能。最大10パターンまで登録できるレンズポジションメモリー機構も搭載済だ。
※上下左右ともに最大値にレンズシフトすることはできません
表示システムは、フルHD仕様の透過型高温ポリシリコンTFT液晶パネル(0.74型)を3枚用いた3LCD方式で、そこに4K表示を可能にする「2軸シフトテクノロジー」を組み込んでいる。
これは1ピクセルを上下左右4方向にずらして出力し、スクリーン上で4K解像度の映像情報量をフルHDパネルで描き出すというもの。60p入力時で240分の1秒毎に画素を書き込むという高速処理が求められる。これは従来の「4Kエンハンスメントテクノロジー」の2倍に達するが、独自開発のボイスコイルモーターと駆動技術の合わせ技で、安定した4K表示を実現しているという。

「2軸シフトテクノロジー」を用いて、上下左右に映像を高速でずらし、スクリーン上で4K解像度を獲得する
ダイナミックレンジ、特にピーク輝度が一様でない4K&HDR収録の映像作品に対して、エプソンでは従来から作品ごとに的確なダイナミックレンジが設定できるHDR映像の調整機能を装備している。
プロジェクターで問題になりやすい明るさの不足、不自然な黒つぶれ、白飛びが回避できる調整機能として重用されて、4K&HDRコンテンツ再生時の安定性を高めている。
本機能は「ダイナミックレンジ」は、100nit(最低値)から10,000nit(最高値)まで16段階の設定が可能。デフォルトは中点となる『8』の設定。HDR10では500nit近辺をターゲットにしているようだ。今回から新たに対応した「HDR10+」映像の再生時は、「ダイナミックレンジ」設定は強制的に250nitの設定となるようだ。

高精度なレンズ設計は、プロジェクターの肝となる部分だ。EH-LS12000では7群16枚構成レンズを、エプソンの光学技術により、明るくしかも色収差の少ない映像を実現した


レンズシフト機能によりスクリーン位置と本体位置のギャップを光学的に吸収する仕組みがエプソン製プロジェクターの魅力のひとつ。本機でも非常に画面移動範囲が広く、設置性に非常に優れている。なお電気的に画面を移動する機能では、光学的なレンズシフト機能に比較して画質的なダメージが大きいので、あまりおすすめできない
空間に引き込まれてしまいそうな感覚こそ、4K&HDR大画面映像の醍醐味だ!
では早速、EH-LS12000のパフォーマンスを検証していくことにしよう。東洋一の白い砂浜と称される与那覇前浜ビーチや、自然のアーチで有名な砂山ビーチなど、沖縄県・宮古島の観光の名所を4K/60p&HDRで収めたビコムのUHDブルーレイ『宮古島 ~癒しのビーチ~』を見ていこう。再生機はパナソニックDMR-ZR1、スクリーンはキクチDressty 4K/G2の120インチ16:9でゲインは1.25。
「映像モード」は各種補正がオフになるモニター的な『ナチュラル』モードを選び、「ダイナミックレンジ」設定は500nit近辺をターゲットにしたデフォルト設定値『8』としている。
岬の突端に白い灯台がそびえる東平安名﨑を収めたチャプター4を再生。真っ先にエメラルドグリーンの海が目に飛び込んでくるが、その雄大なこと。海の色は深さと光のあたり具合で、複雑な色合い、グラデーションが伴い、押し寄せる白波は細かな泡の粒の様子まで手にとるように分かる。
岬の突端にそびえる灯台は、抜けるような青空をバックにその白さが際立ち、しかも壁表面の凹凸が鮮明に描き出される。そのまま大海原がワイドで映し出されるが、白く細かな波が岩場に押し寄せ、消えていく様子を見ていると、その空間に引き込まれてしまいそうな感覚となるほど。まさに4K&HDR大画面鑑賞の醍醐味といっていいだろう。

4K/60p入力対応のHDMI端子を2系統装備。HDMI2端子は、HDMIの機器連動規格(CEC)対応しているので、同機能に対応したAV機器との連携して、プロジェクターのリモコンで接続機器の操作も可能だ
動画で確認するEH-LS12000の設定メニュー
Epson EH-LS12000メニュー画面
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UHDブルーレイのHDR映画再生では明快な質感描写と微妙なフェイストーン表現が魅力だ
続いてUHDブルーレイの映画『ジョーカー』を再生。HDR10での再生となるが、「映像モード」は映画鑑賞用『シネマ』を選択し、「ダイナミックレンジ」調整『8』を含め、すべてデフォルト状態で再生している。
冒頭、薄暗い楽屋の鏡の前、ピエロに扮するため、化粧中のアーサーが映し出されるが、床から足元、椅子のシルエットと、ローライト(暗部)の情報が粘り強く描き出され、窓の外に拡がる明るい景色も確認できる。
場面は大勢の人とクルマが行き交うゴッサムシティに移り変わる。黄色い広告看板を持って踊るアーサーの白塗りの肌と赤鼻、グリーンの髪の毛、黄色いベストと、実にカラフルだ。悪ガキに襲われて、殴る蹴るの暴力を受け、路地裏に倒れ込むアーサー。この時、手前からローアングルでその悲惨な様子が映し出されるが、カメラのピント位置をしっかりと感じさせ、それが自然な奥行感、立体感につながっている。
続いてチャプター8。アーサーがチャリティが開催されている劇場のトイレで、因縁のトーマス・ウェインに会うシーン。間接照明の柔らかな光が、壁の大理石やタイルに反射し、ゴージャスな空間として描き出す。そして高級な生地を奢ったトーマス・ウェインの上等なタキシードと、アーサーのしわくちゃの安物パーカーと、質感描写は実に明快。2人の表情、フェイストーンの違いも把握しやすい。
明るいシーンだけでなく、チャプター9のアーサーが、恋人と妄想するソフィーの部屋に入り込む暗めのシーンでも、一定のコントラスト感が確保され、特に不満は感じさせない。シーンの明るさに応じて、レーザー出力を瞬時に、ダイナミックに制御してコントラスト感を稼いでいるが、その処理が絶妙。不自然な浮き沈みも気にならなかった。
最後に「映像モード」を『ナチュラル』に切り換えて、その画質の変化に注目してみたが、色のみせ方、深いグラデーション、コントラスト感と、なかなか見応えがある。
『シネマ』モードに比べると、全体的にプレーンな印象にはなるが、目が慣れるにつれて、力みのない滑らかなグラデーションや、微妙な色調の違いを丁寧に再現する色遣いが心地よく感じられる。特に『ジョーカー』のように、フィルムトーンを大切にして、そのまま収録された作品では、演出を抑えた『ナチュラル』モードでの鑑賞がおすすめだ。
洗練されたデザイン、優れた設置性/操作性、そして4Kレーザーならではの豊かな表現力と、3拍子揃った貴重なプロジェクターだ。期間限定で開催されるお得な買い取りキャンペーンの対象モデルというビッグチャンスの到来。この機会にぜひ、その実力を自分の目で確認していただきたい。

暗部での使い勝手に優れた自照式リモコンを付属。本体右最上段のランプボタンで、操作ボタンが自照する。ボタンの配置だけでなく、形状なども使いやすさに配慮された設計だ
キャンペーンのお知らせ
ただいま、4Kレーザープロジェクター”EH-LS12000”を購入された方を対象に「ホームプロジェクター買取増額キャンペーン」を実施中。EH-LS12000がお得に導入できるチャンスとなっている。詳細は以下のリンクから。

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