国立がん研究センター中央病院(東京都)と総合南東北病院(福島県)、大阪医科大(大阪府)の3病院が今月から、がん細胞だけを狙い撃ちする放射線治療「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の実用化に向けた最終段階の臨床試験(治験)を始める。
悪性脳腫瘍を再発した患者を対象に、生存率などから治療効果を検証し、早ければ5年後に入院費などの一部保険がきく先進医療の認定を目指す。
BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素薬剤を患者に点滴し、体への影響が少ない中性子線を照射する。ホウ素は、中性子線を吸収して核分裂した際に放射線を出し、がん細胞を内部からたたく。放射線の射程は細胞1個分ほどで、周囲の正常な細胞を傷つけにくいとされる。
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