https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG039L80T00C25A2000000/
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東京大学の山口和也教授、谷田部孝文講師らは、安価なニッケルを使いベンゼン環を持つ有機分子と水素を同時につくる触媒を開発した。これまでは高価なパラジウムなどが必要だった。ベンゼン環を持つ有機分子は医薬品などの原料として、水素は燃料として使えると期待される。

研究成果をまとめた論文は英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。
フェノール類などのベンゼン環を持つ有機分子を合成する際、すでにベンゼン環を持つ石油由来の有機分子を原料にする場合が多い。ベンゼン環を持たない環状有機分子を原料にすると、特定の部位で反応が進むように制御しやすくなる。狙った特徴を持つ物質を合成しやすい。ただ、パラジウムなどの高価な金属を含む触媒が必要だった。
研究チームは、酸化セリウムとニッケルの微粒子からなる固体の触媒を開発した。固体なので、液体に溶かして使う触媒に比べて反応後に回収しやすい。開発した触媒を用いると、窒素原子や酸素原子を持つ環状有機化合物を原料として、ベンゼン環を持つ様々な種類の有機化合物を合成できた。
開発した触媒を使った反応で、原料として使える物質は45種類以上見つかった。今後は反応速度を上げる研究を進める。
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