2025年2月23日日曜日

「AI需要がなければ、赤字だった」…半導体装置の4-12月期、業績好調の裏にある懸念 2025年02月20日

https://newswitch.jp/p/44725


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「AI需要がなければ、赤字だった」…半導体装置の4-12月期、業績好調の裏にある懸念

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半導体製造装置のAI(人工知能)への依存が強まっている。各社は市況が低調に終わった2024年3月期に比べ24年4―12月期の業績は好調だった。25年3月期でも大幅な増収を見込むが、AI関連が業績を引っ張る構図が続く。これまで需要をけん引した中国は投資減速と米国の規制強化がくすぶる。業界では26年3月期もこの傾向が続くと見ており、AIへの傾倒が進みそうだ。

半導体製造装置9社 2024年4-12月期

東京エレクトロンの24年4―12月期連結決算は売上高が前年同期比38・4%増の1兆7761億円と好調を維持する。河合利樹社長は「技術進化を伴いながら、最先端ロジックや広帯域メモリー(HBM)の投資がけん引する」と話す。このほかSCREENホールディングス(HD)やKOKUSAI ELECTRIC、ディスコも大幅な増収となった。

最もAIの恩恵を受けたのがアドバンテストだ。同社は25年3月期の連結業績予想をこれまでに3度上方修正。売上高は前期比52・1%増の7400億円を見込む。画像処理半導体(GPU)やHBMといった「AIの代表選手」向けのテスター需要を抑え、好業績につながった。

ダグラス・ラフィーバグループ最高経営責任者(CEO)は「26年3月期の売り上げの主なドライバーもAIデータセンターになるだろう」と予測する。

一方、苦しいのがニコンだ。半導体製造装置を手がける精機事業では、24年4―12月期の売上高が前年同期比19・1%減の1249億円だった。AI向けの半導体に食い込めず、販売を伸ばせなかった。主要顧客である米インテルの投資先送りなども影響した。徳成旨亮社長は「AI以外の半導体需要の低迷が響いたが、長い目で見れば市況の回復は市場のコンセンサスだ」と話す。

業界全体が好調の裏で懸念もある。東京エレクトロンは26年3月期の前工程向け装置(WFE)の世界市場規模を25年3月期と同水準の1100億ドルと想定する。KOKUSAIも同様の想定だ。両社がこう予想するのは、AIの拡大に対し、それ以外の市場が不調だからだ。ある半導体製造装置メーカーは「AI需要がなければ、今期の業績は赤字だった。ある意味助かった」と吐露する。それだけ市場はAIとそれ以外に二分されている。KOKUSAIの塚田和徳専務は26年3月期について「先端デバイス向けの投資比率が高まる。車載などは25年後半には回復してくるのではないか」と見立てる。

また、各社の売上高の約40%を占めてきた中国向けの販売も落ち込む。ここ数年、多額の設備投資を行ってきたが、装置の立ち上げが進行し、新規装置の販売は落ち着く。各社はおおむね30%台の販売比率と想定する。

今後はロジックでは線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)の量産開始、HBMでは積層数の増加などの技術革新が続く。当面はAIが各社の業績を左右する状況が継続する。


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