https://www.phileweb.com/sp/review/article/202502/25/5948.html
https://www.phileweb.com/sp/review/article/202502/25/5948.html
フルテックはこれまでにNCF素材によるアクセサリー製品を多岐に渡り生み出してきたが、ケーブル部は製品化がされていなかった。このたび、膨大な試行錯誤を乗り越えて遂に、電源ケーブル「Origin Power NCF(G)Power Cable」を完成させた。その成果は「オーディオアクセサリー銘機賞2025」で栄えあるグランプリを受賞した。今回はその音を早速レポートしよう。
新開発のケーブル部は、導体に独自の超低温・特殊電磁界処理を施した「αμ-OFC導体」を採用し、7×35本/0.18mmを撚り合わせた6.22sq線材を3芯で構成。シールドの編組にも同じくμ-OFC導体が用いられている。
そして絶縁体は、静電容量が低く機械的な減衰特性に優れたポリエチレンを採用。加えて、3層構造のシースの最内層部分には、カーボン粒子とともにNCFが調合され、音質向上が図られている。ケーブル部分へのNCF投入は、これが初の試みとなる。ケーブル外径は約19mmだ。
入出力端子にはフルテックの代表製品のひとつ、電源プラグ「FI‐28M(G)」とIECコネクター「FI‐28(G)」に、制振及び静電効果を持つNCFを初めて配合した特殊バージョンである「FI‐28M NCF(G)」と「FI‐28 NCF(G)」を採用する。
プラグの特徴として、特許取得済みのアースジャンパー技術が採用されていることも大きなポイントである。電源プラグの外郭部分がアースに接続することで、電源ラインに侵入したノイズが外部に拡散しないように配慮されたフルテックならではの技術だ。
加えて、ハウジング内部にあるケーブルクランプ部分に特殊金属を採用していることも特徴だ。クランプ部に、ステンレスパウダーを基本とした複数の金属制振パウダーが調合され、電磁振動を大幅に軽減するという。さらに、ワイヤー取り付け部分が凸型に膨らんだベースと凹型のナットで線材を強固に締め付け、接触面積を確保する構造も本コネクターならではの配慮である。
フルテック試聴室で本ケーブルの音をチェックすることができた。NCFによる効果を確認するために、通常のFI-28プラグ及びIECコネクターが装着されたものと、今回のNCFが調合された特殊バージョンのFI-28が装着されたものとを聴き比べたが、その差は歴然であった。NCFならではの効果である、静けさが増し、音が瞭然化する効果がしっかりと現れていた。
従来バージョンのプラグを用いたものでも、耳馴染みよく上質で密度の高い描写と、強度ある骨格による歌声や楽器の確かな存在感が実現されていたが、NCF調合バージョンでは、より十全なパワーを伴い、音楽演奏の輪郭がさらに明晰な表現へと移行。低域楽器の音程や音像のディテールも、一層明快になることを確認できた。
「Origin Power NCF(G)Power Cable」はは、ミドルエントリー価格帯電源ケーブルの魅力的な選択肢のひとつであり、そして新たなFI‐28電源プラグ及びIECコネクター、さらにNCFを調合したケーブルのパフォーマンスを確かに示す、指標となる製品である。
静寂感が非常に高まるのはむしろ当然と言えそうだが、音場の空気や遠近、音の焦点など空間的な要素が大変鮮明になって立体感が増す。おそらく、微細な信号の精度が向上するものと考えられるが、それによって様々な構成が改善されるのである。
結局、音が良くなるというのはそういうことで、今回は微小レベルの凹凸が明瞭になることで、情報が正確さを高めたわけである。他のケーブルへの適用も、ぜひ進めてもらいたい。
さらに、動的なダイナミズムも向上してジャズの熱気が伝わった。アンプの駆動力が倍増したかと思えるインパクトのあるドラムの立ち上がりで、ベースは小気味よく沈む。ピアノのビビッドかつ立体的な響きなど、プレーヤー同士の駆け引きが見えるよう。結束力や一体感が段違いなのだ。“オリジンパワーNCF”のおかげで濃密なアルバムが楽しめた
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.195』からの転載です
(提供:フルテック株式会社)
生形三郎 / パワーを伴いつつ明晰な表現
フルテックから魅力的なミドルクラス・パワーケーブルが登場した。同社の最新設計による「Origin Power NCF(G)Power Cable」である。その最大の特徴は、電源ケーブルを構成するパーツ全体に特殊素材NCFが採用されていることだ。新開発のケーブル部は、導体に独自の超低温・特殊電磁界処理を施した「αμ-OFC導体」を採用し、7×35本/0.18mmを撚り合わせた6.22sq線材を3芯で構成。シールドの編組にも同じくμ-OFC導体が用いられている。
そして絶縁体は、静電容量が低く機械的な減衰特性に優れたポリエチレンを採用。加えて、3層構造のシースの最内層部分には、カーボン粒子とともにNCFが調合され、音質向上が図られている。ケーブル部分へのNCF投入は、これが初の試みとなる。ケーブル外径は約19mmだ。
入出力端子にはフルテックの代表製品のひとつ、電源プラグ「FI‐28M(G)」とIECコネクター「FI‐28(G)」に、制振及び静電効果を持つNCFを初めて配合した特殊バージョンである「FI‐28M NCF(G)」と「FI‐28 NCF(G)」を採用する。
プラグの特徴として、特許取得済みのアースジャンパー技術が採用されていることも大きなポイントである。電源プラグの外郭部分がアースに接続することで、電源ラインに侵入したノイズが外部に拡散しないように配慮されたフルテックならではの技術だ。
加えて、ハウジング内部にあるケーブルクランプ部分に特殊金属を採用していることも特徴だ。クランプ部に、ステンレスパウダーを基本とした複数の金属制振パウダーが調合され、電磁振動を大幅に軽減するという。さらに、ワイヤー取り付け部分が凸型に膨らんだベースと凹型のナットで線材を強固に締め付け、接触面積を確保する構造も本コネクターならではの配慮である。
フルテック試聴室で本ケーブルの音をチェックすることができた。NCFによる効果を確認するために、通常のFI-28プラグ及びIECコネクターが装着されたものと、今回のNCFが調合された特殊バージョンのFI-28が装着されたものとを聴き比べたが、その差は歴然であった。NCFならではの効果である、静けさが増し、音が瞭然化する効果がしっかりと現れていた。
従来バージョンのプラグを用いたものでも、耳馴染みよく上質で密度の高い描写と、強度ある骨格による歌声や楽器の確かな存在感が実現されていたが、NCF調合バージョンでは、より十全なパワーを伴い、音楽演奏の輪郭がさらに明晰な表現へと移行。低域楽器の音程や音像のディテールも、一層明快になることを確認できた。
「Origin Power NCF(G)Power Cable」はは、ミドルエントリー価格帯電源ケーブルの魅力的な選択肢のひとつであり、そして新たなFI‐28電源プラグ及びIECコネクター、さらにNCFを調合したケーブルのパフォーマンスを確かに示す、指標となる製品である。
井上千岳 / 静寂感を高めて立体感も鮮明に
NCF素材は、これまで専ら端子などの樹脂部分に使用されてきたが、今回はこれをケーブル内側のシースに調合している。導体のすぐ外側にあって、しかも全部を覆っているわけだから、その効果はかなりのものだろうと推測したら、結果はその通りだった。静寂感が非常に高まるのはむしろ当然と言えそうだが、音場の空気や遠近、音の焦点など空間的な要素が大変鮮明になって立体感が増す。おそらく、微細な信号の精度が向上するものと考えられるが、それによって様々な構成が改善されるのである。
結局、音が良くなるというのはそういうことで、今回は微小レベルの凹凸が明瞭になることで、情報が正確さを高めたわけである。他のケーブルへの適用も、ぜひ進めてもらいたい。
林 正儀 / 高純度なエネルギーと晴れやかな背景 動的なダイナミズムも段違いに向上
パワーケーブルの全体にNCFを採用したのは、本モデルが初だ。このモデル専用に開発したケーブルと高性能プラグ&コネクターが絶大な効果を上げ、NCFではないバージョンと聴き比べるとその差は歴然。せきを切ったように高純度なエネルギーが流れる。空間がパッと晴れやかに。声楽つきのオーケストラでは、音楽の背景が限界まで静かになると同時に、気流の動きが見えるようだ。さらに、動的なダイナミズムも向上してジャズの熱気が伝わった。アンプの駆動力が倍増したかと思えるインパクトのあるドラムの立ち上がりで、ベースは小気味よく沈む。ピアノのビビッドかつ立体的な響きなど、プレーヤー同士の駆け引きが見えるよう。結束力や一体感が段違いなのだ。“オリジンパワーNCF”のおかげで濃密なアルバムが楽しめた
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.195』からの転載です
(提供:フルテック株式会社)
0 コメント:
コメントを投稿