https://news.yahoo.co.jp/articles/3ce35bd9f46ff54af084e509a675e5e6e1199a87?page=1
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N7に新規プラットフォームを採用
日産が中国市場においてEVテクノロジーに関する発表会を開催しました。EV性能、自動運転、スマートコクピット分野における最新テクノロジーを結集することによって、中国市場で反転攻勢を仕掛けます。 【写真】日産は80年前にEVを市販してた!? 日産リーフのご先祖「たま」とは まず、日産の中国市場における現状を紹介しましょう。このグラフは日産を含めた日本メーカー勢と中国BYDの年間販売台数の変遷を示したものです。日産の2024年シーズンの小売販売台数は約60万台となり、前年比で1.4%ものマイナス成長となりました。日産は2019年シーズン以降、一貫して販売台数が低下しており、2019年シーズンと比較すると半分ほどの販売規模にまで低下しています。 とくに日産は、中国国内で大衆セダンであるシルフィの一本足打法となってしまっており、競合車種となるBYDのQin PlusやQin LというPHEVが、そのシルフィを上まわる燃費と快適性、先進さを兼ね備えることによって、現在シルフィの販売台数が減少。それによって値引き対応を強いられている状況です。 そして日産は、2026年までに5車種もの新エネルギー車を中国国内に展開していく計画を発表しています。そして第一弾として、ミッドサイズセダンのN7の発表を行い、2025年5月中にも発売をスタートする見込みです。そのN7以降の新型EVに投入される最新テクノロジーの発表会の内容を解説していきましょう。 まず初めに、新規プラットフォームを採用する方針を表明しました。ホイールベースは2700mmから3150 mmというBからDセグメントに対応。BEVとともに、PHEV、そしてEREVにも対応可能です。 また、フロントにはダブルウイッシュボーン、リヤには5リンクを採用しながら、CDC電子制御サスペンション、およびデュアルチャンバーエアサスペンションを採用。さらに、高効率のヒートポンプシステムはマイナス30度から50度にまで対応。4つもの排熱回収モードを備えることによって、エネルギー消費量を5%節約可能です。 さらに、ファミリーセダンとしての快適性の追求を目的として乗りもの酔い対策を実施。電子制御ダンパーを活用することによって加減速におけるピッチングをコントロール。自動運転の際の加減速、停止と再発進時における車体の揺れを低減します。 そして、安全性と操縦性を向上させるために、高張力鋼とアルミニウム合金の配合割合を83%にまで高めながら、最大1700MPaもの超高張力鋼を採用することによって車両のねじれ剛性は5万Nm/degを突破。これはポルシェタイカンの4万Nm/degをはるかに上まわっており、さらにシャオミSU7の5万1000Nm/degにすら匹敵するレベルです。よって、高速走行時における安定性だけではなく、車両の振動や静粛性の向上にも期待できます。
バッテリーの安全性もアピール
次に、搭載モーターの最高回転数が2万5100rpmと、競合を大きく上まわる性能を実現しました。テスラ・モデルS Plaidのモーターよりも12%も最高回転数が高いとアピールされています。また、モーターを始めとして、合計14ものコンポーネントを一括でまとめた「14-in-1」のパワートレインを開発することによって、その高さは325mmと業界最高レベルのコンパクトさを実現。よって、スペース効率を向上させることができます。 また、バッテリーについて、日産はプレーリージョイEVと日産リーフを開発してきたことによる長年の実績を活かして、とくに安全性を強調してきました。4つの針をバッテリーに刺すという釘刺し試験においても、SOC100%状態において72時間が経過した後でも発火しないという驚異の安全性を披露しました。 さらにそのうえ、日産は超急速充電性能として、電池の冷却性能を最大12kWにまで高めながら、電池セル間の温度差を4℃以上広げないように均一冷却に成功。よって400Vシステムを採用した場合、400km分の航続距離を19分間で充電可能。そして800Vシステムを採用した場合は、400km分の航続距離を7分間で充電を実現。Cレートで6Cと、これも業界最高水準の充電性能を実現しています。 そして、EV性能とともに重要となるソフトウェアについて、新オペレーティングシステムのNissan OSを初採用しました。これはファーウェイと共同開発されており、15.6インチ、2.5Kの解像度を誇るセンタースクリーン。また、60TOPSの演算能力を誇るクアルコムSnapDragon8295Pの採用も相まって、シームレスで直感的な動作が可能となります。 そのうえDeepSeekとの統合によって、ユーザーの好みを学習しながら対話機能することで、乗員との高度なコミュニケーションが可能となります。 自動運転システムについて、日産はモメンタと共同開発することによって、高速道路上における追い越しや分岐、場合によってはカラーコーンに対する回避挙動にまで対応する「ハイウェイNOA」に対応。さらに、市街地における信号や右左折、ラウンドアバウト、場合によっては転回、障害物に対する回避挙動を含めた「シティNOA」にも対応。そのうえ、さまざまな駐車枠、およびバレーパーキングに対応する高度駐車機能にも対応するなど高度な自動運転システムを実装します。 また、ファミリー向けの快適性を追求するために、シートを1から再設計しました。シートマッサージを完備するという豪華装備に加えて、そのシートの素材も高級クッションをふんだんに採用するなどによって、日産ユーザー100人によるブラインドテストの結果、メルセデス・ベンツSクラスをも上まわる座り心地を実現したと豪語しています。 そして、この最新プラットフォームや最新テクノロジーを詰め込んだEV第一弾であるN7は、5月中に発売見込みであり、すでに一部のEV性能が公開されています。 具体的には、58kWhと73kWhという2種類のLFPバッテリーをラインアップしながら、今後はRWDグレードだけでなくAWDグレードもラインアップする見込みです。全長4930mm、全幅1895mm、全高1487mm、ホイールベースが2915mmというミッドサイズセダンセグメントに該当します。 N7の競合としては、とくにXpeng P7+やXpeng Mona M03というEVセダンが挙げられます。もちろん日本勢もマツダEZ-6とトヨタbZ3などをラインアップしているものの、極めて競争が激しいセダンEVセグメントでは苦戦を強いられています。 果たして苦戦が続く中国市場で、N7をはじめとする新型EV攻勢を仕かけることによって、日産がEV時代を生き抜くことができるのか。とくにN7の正式発売時の値段設定やさらなる新型EVの最新動向にも注目です。
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