2017年4月6日木曜日

「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」 ツイッターで大反響の漫画が書籍化、10日発売


ツイッターの反響から書籍化された漫画。汐街コナさんの体験談などがつづられている
 平成27年12月に電通の新入社員が過労で自殺したことを受けて、フリーのイラストレーター、汐街コナさんがツイッターに投稿して大反響を呼んだ漫画が、「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由(ワケ)」と題した書籍になって10日、発売される。出版にあたっては精神科医が監修し、過労・ストレスとの向き合い方や過労状態から抜け出した人の体験談などを描き加えた。(藤井沙織)
 広告制作会社に勤務していたときに「うっかり自殺しかけた」経験を持つ汐街さんは昨年10月、ツイッターに漫画を投稿。自殺に至るまでの心境や対処法などを生々しく描いた。
 さらには、過労で追い詰められるなかで周囲からかけられた「目を覚ましてくれたコトバ」を紹介。「自殺への道は本人の意志とは無関係に繋(つな)がる。早い段階での対処が必要だ」という主張に多くの共感が寄せられ、約30万件にも及ぶリツイートがあった。
 この投稿を読んだ出版社の担当者が、汐街さんに書籍化を依頼。過労状態から抜け出すために「自分の命と人生を最優先に考える」生き方が描かれているほか、精神科医が心療内科の選び方や過労に苦しむ家族へのアプローチの仕方などを解説している。
 汐街さんは「責任感を持って頑張っている人が自ら死を選ぶ世の中はおかしい」と訴え、「国や企業の対策は待っていられない。何を選んで生きるかの選択権は本人にあることを改めて意識してほしい。多くの人に『自分の命は自分で守る』ことを伝えたい」と話している。
 あさ出版。160ページ。1296円。

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