2017年4月10日月曜日

驚愕 世界中のビジネスを「コピペ」して丸儲け!その2



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「私たちが立ち上げたスタートアップ企業のほとんどはうまくいっています」とブルーダーは胸を張る。だが、そのすべてがユニコーン企業、つまり、評価額が10億ドル以上の企業になっているわけではない。

「立ち上げた企業に収益を生み出させ、市場のリーダーの地位を確立させるのが、私たちの望みです」

ロケット社のモットーは「利益」で、ルールは「リスクを最小に」だ。慎重ではあるが、果敢に国際化戦略を広げている。同社は「米国と中国以外で最大のネットビジネスのプラットフォーム」となることを狙い、米国企業があまり重視しない新興市場をターゲットに投資している。

2012年には「アフリカ・インターネット・グループ」を設立した。同社はパリに本拠地を置き、Amazon.comのアフリカ版である「ジュミア(Jumia)」を立ち上げた。また、東南アジアでネット通販ビジネスをリードする「ラザダ」は、2016年、中国のネットビジネスの巨人アリババに10億ユーロで売却することに成功した。

100日間で卵を「孵化」させる!


クローン企業ばかりで、技術革新をなおざりにしているのでは? という批判には、ブルーダーはこう反論する。

「私たちのDNAにあるのは、つねにもっと多くの企業を創り出すということです」

これこそが、「ドイツのマーク・ザッカーバーグ」とも呼ばれるオリバーが巨万の富を生み出した方法なのだ。オリバーの天才的なところは、ミレニアム時代の「企業の卵」を20世紀初頭の製鉄工場と同じように管理できることに、誰よりも先に気づいた点にある。きわめて合理的に組織化された方法で仕事をする。

いわば、クラウド時代の『モダン・タイムス』だ。

ベルリン本社の建物は6階まであり、各階が同社の「垂直的かつ横断的な」生産システムを具現している。

掲示板に画鋲で貼り付けられた紙切れに、生産ラインのすべての工程がくわしく書かれている。

第1段階では、選び抜かれた少人数からなるチームが最上階の会議室に集まり、すでに「実証済み」のコマーシャルサイトからモデルになるものを選び出す。それが承認されると、優秀なビジネススクールを卒業した「共同創業者」が任命され、プロジェクトの運営やモデルを「スケールする」こと、すなわち、別の市場の特性に合わせて最小限のコストでコピーする作業にあたるのだ。

「卵」は成熟するにつれて、ひとつひとつ階を下りていく。

5階では、ウェブデザイン開発部門の妖精たちが、サイトやスマートフォン向けのアプリの設計をしてくれる。それから、4階の営業マーケティング部門の担当者の手に移り、そのあとはロジスティックスのチームに、そして、最後には広告宣伝部門の手に任される。

「卵」が孵化するまでにかかるのは「100日間。魔法の100日間です」とブルーダーは説明する。

ローンチ9ヵ月で見切りをつける


ブルーダーは職場を案内してくれた。

「ここにはハイテクの機器やロボットはありません、有能な若者がパソコンと向かい合っているだけです」

それにしても、オシャレな環境とは言いがたい。もちろん、なくてはならない屋上庭園はある。街が見下ろせてリラックスできる場所だ。そこには、ミューズリー(オートミールやグラノーラのようなスイス料理)の自動販売機もある。

だが、建物の内部を見わたすと、壁はむき出しだし、青白い蛍光灯がともった間仕切りのない広いオフィスには、何十人もの社員が、人形のような顔をパソコンの画面に釘付けにして、養鶏場の鶏のように並んでいる。

彼らの平均年齢は27.2歳だ。英語で会話し、iPhoneを手から離さない。ベルリン本社には700人の社員がいるが、半数は外国人だ。アジアや米国、ラテンアメリカ、ヨーロッパ各国の有名大学から採用されている。

社員たちの笑顔は色鮮やかな写真となって、会社のポスターにもなっている。ロケット社は、有能な人材を見つけ出し、能力を発揮するチャンスを与える術を心得ていることで定評がある。

「会社では給料を払うだけでなく、わくわくするような体験も提供しているのです」

ブルーダーはそう言うが、給与システムは明らかにしない。ただ、多くのデジタル・ネイティブにとって、ロケット社の一員となることは、人脈ネットワークと立派な肩書きが手に入ることを意味している。

ブルーダーは続ける。

「ドイツ経済の基盤をなしているのは、家族経営の中小企業同士の強い結びつきです。私たちの会社は、若者たちに起業を教えることで、雇用とともに地域のエコシステムを生み出していることを誇りに思っています」

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