体内でがん細胞に変化し得る「前がん細胞」を周囲の正常細胞が攻撃、排除する機能を高めてくれる化学物質を北海道大などの研究グループがイヌなどの細胞を使った実験で初めて発見した。がん予防薬の開発につながる可能性がある。12日までに英科学誌電子版に発表した。
北大遺伝子病制御研究所の藤田恭之教授によると、イヌの培養細胞を人為的に前がん細胞に変化させ、その周囲にある正常細胞に約1万種の抗生物質などを投与し、それぞれ効果を調べていった。
この結果、抗生物質を改造した化学物質「VC1—8」が正常細胞への副作用が少なく、前がん細胞への攻撃力を高める効果が大きかった。
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