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希薄空気で作動中のガス軸受真空ポンプ
IHIは航空機の空気抵抗を削減するための空力制御システム「ハイブリッド層流制御システム(HLFC)」の実現に向け、ガス軸受真空ポンプを開発した。秋田大学の協力を受け、HLFCとしての作動を想定した10分の1気圧の希薄空気の条件下で世界で初めて試験に成功した。HLFC技術の長年の課題を克服したもので、航空機の燃料効率改善と二酸化炭素(CO2)排出削減への貢献が期待される。
HLFCは航空機の空気抵抗を大幅に削減する有望技術として長年注目されてきた。一方で、約1万メートル上空の飛行高度の希薄空気を吸い込む小型かつ軽量な大流量真空ポンプの実現が課題となっていた。
今回、IHIが独自開発した真空ポンプは、ガス軸受モーター技術と小型で軽量な設計、制御性の向上で技術革新を図った。
ガス軸受を使用して軸受の摩擦と摩耗を最小限に抑え、高空の条件下でも信頼性の高い動作とメンテナンスの軽減を実現する。また超高速回転機技術を採用。航空機システムの重量増への影響を抑え、HLFC用途として空気抵抗低減に寄与する。
試験は秋田大学電動化システム共同研究センター(秋田市)で実施した。
日刊工業新聞 2025年04月02日
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